【為替本日の注目点】ユーロドル1.09を挟む攻防続く

ドル円は連日同じような展開が続き、この日も111円72銭までドルが買われた。ただ112円を試す勢いはなく、111円40-45で越週。ユーロドルも1.09を挟んだ攻防。高値は1.0934で安値は1.0884.
株式市場は反落。ハイテク株は小高いが、金融株は軟調。ダウは40ドル下げ、ナスダックは1ポイント下落。債券相場は続伸。月末特有の買いが入ったとの見方もあり、
10年債利回りは2.28%台に低下。金は続伸し、原油価格も小幅に上昇。
1-3月雇用コスト指数 → +0.8%
1-3月GDP(速報値) → +0.7%
4月シカゴ購買部協会景気指数 → 58.3
4月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 97.0
ドル/円111.35 ~ 111.72
ユーロ/ドル1.0884~ 1.0934
ユーロ/円121.27~ 121.95
NYダウ -40.82 → 20,940.51ドル
GOLD +2.40 →1,268.30ドル
WTI +0.22 → 49.19ドル
米10年国債 -0.014 → 2.280%
本日の注目イベント
米 3月個人所得
米 3月個人支出
米 3月PCEコアデフレータ
米 4月ISM製造業景況指数
早いもので今日から5月です。相場の方はなかなか方向感がつかみにくい展開が続いていますが、このまま年末まで先行き不透明な動きが続くような気もして来ました。トランプ大統領が就任して以来、相場そのものに変動要因が一つ加わったようにも思えます。ドル円は北朝鮮問題がいつ急変してもいい状態が続いていながらも、底堅い動きになっています。
先週金曜日のNY市場では再び111円台後半までドル高が進んだものの、111円台半ばから下方に押し戻されており、111円60-90銭あたりが壁になりつつあります。北朝鮮は29日にも弾道ミサイルを発射したものの、失敗した模様です。米国はこの行為に対しては静観していますが、トランプ大統領はツイッターで「北朝鮮は今日、失敗に終わったもののミサイルを発射し、中国および尊敬を集める同国の国家主席の希望を踏みにじった。不愉快だ」とつぶやいています。(ブルームバーグ)
北朝鮮に対しては国連安保理で、北朝鮮との外交・経済関係を断つよう呼びかけたり、ASEANでも一致してきた北朝鮮のミサイル攻撃を非難する声明文を出させるなど、米国は武力以外の方法で解決する努力をしているように見えますが、一方原子力空母や潜水艦など、北朝鮮包囲網は完了したようにも見えます。北朝鮮がさらにミサイル攻撃をするようだと、米国が単独でも行動を起こす状況かと思われます。
米国の1-3月期GDP速報値は予想を下回る「0.7%」でした。特にGDPの7割を占めると言われる個人消費が低調でした。天候による影響が大きかったと見られていますが、今後発表される経済データ次第では、今年3回と予想されている利上げ回数にも影響が出てくることも考えられます。雇用もここ2カ月は事前予想を下回っており、米景気の足取りに、これまでのような力強さが感じられなくなってきた印象もあります。今週末の雇用統計には引き続き注意が必要です。
今週は北朝鮮の動向と、7日のフランス大統領選に最大の注目が集まります。マクロン候補が引き続き6対4の割合でルペン候補を破るとの予想は変わっていないようですが、最後の最後まで安心するわけにはいきません。上記2つの大きな材料は、どちらかといえば円高方向へのリスクの方が高いと見ています。
111円から111円台後半での攻防が続いていますが、今週は週末に雇用統計を控えていることもあり、どちらかに抜けると予想していますが、上に抜けて112円台に乗せたとしても、そこからの上昇は限られるのではないかと思います。
本日のレンジは110円80銭~111円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は連日同じような展開が続き、この日も111円72銭までドルが買われた。(イメージ写真提供:123RF)
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2017-05-01 09:45