【為替本日の注目点】ドル円112円に迫る

 ドル円は続伸し、112円目前までドル高が進む。昨日の東京時間に、歳出法案で暫定合意し、米政府機関閉鎖が回避される見通しとなったことでドル買いが進んだ。ユーロドルは前日とほぼ同じレンジで推移。ドル円が上昇した分、ユーロ円は122円台までユーロ高が進行。株式市場はまちまち。暫定予算で合意したことで楽観的なムードだったが、ダウは27ドル下落。一方ナスダックは43ポイント上昇し、最高値を更新。債券相場は反落。ムニューシン財務長官が超長期債への言及を行ったことが売りにつながった。長期金利は2.31%台へ上昇。金は反落し、原油価格も反落し48ドル台に。 3月個人所得            →  +0.2% 3月個人支出            →   0.0% 3月PCEコアデフレータ      →   +1.6% 4月ISM製造業景況指数      →   54.8 ドル/円111.43 ~ 111.93 ユーロ/ドル1.0897~ 1.0923 ユーロ/円121.69~ 122.09 NYダウ -27.05 → 20,913.46ドル GOLD -12.80 →1,255.50ドル WTI -0.49 → 48.84ドル 米10年国債  +0.038 → 2.318% 本日の注目イベント 豪  RBA、キャッシュターゲット 日  日銀金融政策決定会合、議事要旨(3月15日、16日分) 英  英4月製造業PMI 中  中国 4月財新製造業PMI 欧  ユーロ圏4月製造業PMI(改定値) 欧  ユーロ圏3月失業率 米  FOMC(3日まで) 米  企業決算 → ファイザー、マスターカード、アップル                  ドル円は111円70銭前後の「ダブルトップ」を抜き、111円93銭辺りまで上昇しました。クロス円が軒並み上昇していることで、「ドル高」というよりも「円安」が進んだと考えられます。ユーロ円は122円台、豪ドル円も再び84円台まで上昇しています。  フランス大統領選で、決戦投票ではマクロン候補が有利と見られていますが、下駄を履くまで分かりません。また、北朝鮮問題では引き続き、にらみ合いが続いており、北朝鮮の出方次第という状況です。ただトランプ大統領も柔軟な姿勢を見せ、「キム・ジョンウンは賢い人だ」と語り、同氏との会談にも前向きだと述べています。この発言で、ボールは北朝鮮側に投げられ、北朝鮮がそのボールをどのように投げ返してくるのかが焦点になります。  このようは柔軟な姿勢がややリスクオフを後退させているとも見られますが、市場は6月の利上げを意識し始めており、これがドル買いにつながっている部分が大きいと考えられます。本日からFOMCは始まりますが、今回の会合は声明文には注目が集まる程度で、利上げに関しては「ノーマーク」と見ていいと思います。一方6月の利上げに関しては、金利先物市場が折り込む確立は、直近で69.7%です。また9月の確率でも84.3%まで上昇しています。  ここから判断できることは、よほど大規模な戦争にならない限り、FRBは粛々と利上げを実施していくと、市場は見ていることになります。米経済データはこのところ弱含んでいます。2月、3月の雇用者数の下振れや、先週のGDP。さらに昨日発表されたISM非製造業景況指数も予想を下回っており、いわゆるハードの部分では景気の減速傾向を示しています。それだけに、今週末の4月の雇用統計が一段と注目されます。  リスクオフの流れがやや後退したことで円売りがじわじわと進んでいますが、早ければ今日の東京タイムにも112円台乗せはあろうかと思います。ただそれでもこの水準から一段とドル高が進む状況ではないと思っていますが、急転直下、トランプ・キム会談でも決まるようなら115円を目指すことになるかもしれません。これまでのキム総書記の言動から考えると、その可能性は低いとは思いますが、市場の流れがリスクオンに傾きつつある中、その可能性を全く排除できないのも事実です。  本日のドル円は111円30銭~112円30銭程度を予想しますが、仮に112円台に乗せれば、3月末以来の水準となります。連休前ということもあり輸出企業からのドル売り注文も集まり易いレベルであることにも注意が必要です。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は続伸し、112円目前までドル高が進む。昨日の東京時間に、歳出法案で暫定合意し、米政府機関閉鎖が回避される見通しとなったことでドル買いが進んだ。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-05-02 09:00