資生堂は高値更新の展開、収益改善基調を評価して上値追い

  資生堂 <4911> の株価は、3月中旬に全般地合い悪化の影響を受ける場面があったが、素早く切り返して高値更新の展開だ。収益改善基調を評価して上値追いの展開だろう。   中期的に国内、中国、米ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針を打ち出し、事業構造改革も実施した。国内では中高価格帯商品への対応に取り組み、海外ではブランド刷新も検討する。13年5月には、レプリセル社(カナダ)の毛髪再生医療技術導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。   13年10月に仏ロレアル社からフランス子会社の株式および資産の譲渡提案を受けて交渉していた件については、2月19日に「カリタ」ブランドと「デクレオール」ブランドの譲渡契約を締結した。譲渡に伴う売却益は関係国の競争法上の手続き完了後に確定するため、来期(15年3月期)に計上予定としている。   なお3月24日には、企業倫理やCSR(企業の社会的責任)などを専門とする米国のシンクタンク「エシスフィア・インスティチュート」が、3月20日に発表した「世界で最も倫理的な企業」において、3年連続で選出されたと発表している。   今期(14年3月期)の連結業績見通し(1月31日に増額修正)は、売上高が前期比10.7%増の7500億円、営業利益が同61.3%増の420億円、経常利益が同54.9%増の440億円、純利益が190億円(前期は146億85百万円の赤字)としている。第4四半期(1月~3月)にマーケティングコストを積極投入するが、円安による差益増や事業構造改革の効果で吸収し、営業外収益で円安に伴う外貨建て資産の評価益も寄与する。なお想定為替レートは1米ドル=97円70銭、1ユーロ=129円70銭、1人民元=15円90銭としている。   国内化粧品販売会社の月次売上動向(前年比)を見ると13年10月プラス5%、11月プラス9%、12月プラス2%、14年1月プラス7%と下期に入って好調を維持している。14年1月はカウンセリング化粧品「エリクシール」が伸長した。通期見通しに対する第3四半期累計(4月~12月)の進捗率は売上高が71.4%、営業利益が79.4%、経常利益が80.4%、純利益が88.1%である。利益進捗率は高水準であり、保守的な想定為替レートも考慮すれば、通期利益の上振れ余地があるだろう。   株価の動きを見ると、地合い悪化の影響を受けた2月5日安値1555円から反発して一本調子の上昇となり、3月10日の1892円まで上伸した。その後一旦は利益確定売りや全般地合い悪化の影響で3月17日の1755円まで調整したが、素早く切り返しの動きとなり、3月19日には1894円を付けて高値を更新した。収益改善基調を評価する動きだろう。   3月24日の終値1878円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS47円69銭で算出)は39倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS722円42銭で算出)は2.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線近辺から反発してサポートラインを確認した形だ。週足チャートで見ると13週移動平均線をサポートラインとして強基調であり、上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
資生堂<4911>(東1)の株価は、3月中旬に全般地合い悪化の影響を受ける場面があったが、素早く切り返して高値更新の展開だ。収益改善基調を評価して上値追いの展開だろう。
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2014-03-25 09:15