【本日注目の通貨ペア】ユーロ/米ドル:政治リスクは欧州から米国へ

仏大統領選で、反移民・反ユーロを掲げるルペン氏を破ってマクロン氏が勝利。今年9月の独連邦議会選挙の前哨戦である州議会選挙では、メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)が3連勝を収めた。これらによって欧州の政治リスクは大きく後退したと言って良いだろう。
一方で、米国のトランプ政権にはロシア関連疑惑=ロシア・ゲート疑惑が浮上。前FBI長官の解任に絡んで、弾劾事由の司法妨害が行われた可能性も指摘されている。この週末には、ロシア疑惑をめぐり、ホワイトハウス高官でトランプ大統領に近いアドバイザーを務める人物に捜査当局が関心を示しているとの報道もあった。
このように、足元では政治リスクが欧州(ユーロ圏)から米国に転移しており、為替相場ではユーロがドルに対して優位に立ち始めた。政治リスクの後退によって欧州中銀(ECB)の早期緩和解除観測が浮上した一方、政治リスク再燃によって米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの思惑も持ち上がっている。
ロシア・ゲート疑惑の深まり具合に左右される面は大きいが、当面の焦点はユーロ/ドルがどこまで上値を伸ばせるかであろう。まずは、昨年11月9日(米大統領選の開票作業中)の高値1.12989ドルが第1ターゲットであり、昨年8月18日の高値1.13661ドルが次のターゲットになりそうだ。仮にこれを上抜ければ1.15ドルの節目も視野に入ってこよう。
(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
仏大統領選で、反移民・反ユーロを掲げるルペン氏を破ってマクロン氏が勝利。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-05-22 16:30