【為替本日の注目点】NY株続落でドル円軟調、「G7」の結果受けユーロ急伸

 NY市場  ドル円は「G7」でのロシアに対する制裁の内容を見極める雰囲気の中、緊張がやや緩和するとの見方があったが、株価の下落に反応し、102円台前半まで下落。  ユーロドルはドイツ、ユーロ圏のPMIの悪化に1.37台半ばまで下落したが、「G7」の結果を受け、軍事行動にはつながらないとの見方から急伸。一時は1.38台後半までユーロ高が進み、1.3830-40で取引を終える。   株価は続落。製造業景気指数が前月から低下したことで売り方が優勢に。ダウは先週末比24ドル下落。   債券は続伸。ロシアを「G8」から除外するとの報道を好感。長期金利は2.73%台で引ける。   金は米国の利上げが早まるとの見方が広がり24ドルの大幅安。原油は小幅に続伸。   ドル/円 102.13 ~ 102.52  ユーロ/ドル 1.3761 ~ 1.3877  ユーロ/円 140.71 ~ 141.74  NYダウ -26.08 → 16,276.69ドル  GOLD -24.80 → 1,311.20ドル  WTI +0.14 → 99.60ドル  米10年国債 ー0.010 → 2.730%  本日の注目イベント  中   中国 2月コンファレンスボード景気先行指数   独   独3月ifo景況感指数   英   英2月消費者者物価指数   米   1月ケースシラー住宅価格指数   米   3月消費者信頼感指数   米   2月新築住宅販売件数   米   3月消費者信頼感指数   米   3月リッチモンド連銀製造業指数   米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演   米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演   オランダのハーグで開かれた「G7」では、クリミア編入手続きを完了したロシアへの新たな制裁として「G8」への参加を停止することで各国首脳は一致しました。オバマ大統領は記者団に対して、「ロシアに対し、これまでの行動の代償を払わせることでわれわれは一致している」と述べ、キャメロン英首相も「方向を変える必要があるのはロシアだ」と語っています。(ブルームバーグ)  これに関連して、6月にロシアのソチで開催予定だった「G8」は、ベルギーで「G7」として開催することになり、ロシアは事実上「G8」から排除されることになりました。これに対してロシアのプーチン大統領も昨日のテレビ番組では「(開催地のソチに)来たくなければ、来なくてもいい」と、強気の発言を繰り返しています。  この内容を受け、市場は軍事衝突の可能性がやや後退したと受け止めたようですが、シカゴのVIX指数(恐怖指数)は0.6%上昇し、15.09%で引けています。ドル円は米長期金利の低下と、株価の下落に引っ張られる形で102円台前半まで売られましたが、依然として102円台は維持しており、まだはっきりとした方向感が見えていないという状況です。  一方ユーロドルが100ポイント以上急伸しました。地政学的にロシアに近いということで、今回の「G7」の結果が注目されていましたが、すぐに軍事衝突はないとの見方からユーロが大きく買われています。ユーロドルは今月13日の1.3967からちょうど200ポイント調整しましたが、昨日の急伸で「半値戻し」を見せたことになります。特にこれといってユーロを積極的に買う材料が見当たらないない中、ユーロは下値を切り上げています。  ブルームバーグの報道によると、中国が外貨準備の一部をドルからユーロにシフトしているのではないかとの見方もあります。外貨準備の多くをドルで保有している中国が、「ドルを売ってユーロを買う」こともあり得る話で、今後外貨準備の内訳が発表されれば、真相も明らかになります。  ユーロについてはまだ利下げ観測が消えたわけではなく、特にロシアに対する制裁がエネルギー分野にまで及ぶようだとユーロ圏にとっても厳しい選択となり、一段の景気刺激策が必要な事態が考えられ、利下げ観測が高まることになります。チャートを見る限り、ユーロドルも、ユーロ円も上昇基調を崩していません。ユーロドルでは1.40がやはり大きな節目となりそうで、ここを抜けることができるか、あるいは抜けずに再び1.35を目指すのかが焦点です。  このところのドル円は東京時間にはほとんど値動きがないのが実情です。株価が低迷していることもありますが、雇用統計で103円台後半までドル高が進んでも、あるいはイエレン発言で102円台半ばを超えても、東京時間での反応は限られます。本日も株価が軟調に推移すると予想されることから、101円70銭~102円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は「G7」でのロシアに対する制裁の内容を見極める雰囲気の中、緊張がやや緩和するとの見方があったが、株価の下落に反応し、102円台前半まで下落。
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2014-03-25 09:30