【本日注目の通貨ペア】ユーロ/米ドル:ECBの早期緩和解除観測は後退気味

ユーロ圏の景気が底入れし、インフレ率の上昇が見られる中、市場には欧州中銀(ECB)の早期緩和解除観測が広がり始めた。早ければ6月の理事会で金融政策の先行きを示す指針(フォワードガイダンス)に修正・変更を加えるとの見方もある。なお、ユーロ圏の金利デリバティブ市場では今年12月の利上げの可能性を25%程度織り込んだ水準で取引が行われている。
ECBはフォワードガイダンスとして「主要金利が長期にわたり、現行水準もしくはそれを下回る水準になると予想」と表明しているが、ドラギ総裁は24日の講演で「フォワードガイダンスから逸脱する理由はない」と発言して市場の思惑を否定してみせた。また、コンスタンシオECB副総裁も昨日の講演で「刺激策はインフレ調整を保証するため重要」として緩和解除に慎重な姿勢を示した。
こうした点を踏まえると、ここからユーロが大きく上昇する可能性は小さいと思われる。ECBの緩和解除観測を背景に、投機筋のポジションが3年ぶりのネットロング(買い超)となっている事から、むしろ調整的なユーロ売りが出やすいと考えられる。本日発表される米1-3月期国内総生産(GDP)・改定値についても、速報値からの上方修正が見込まれており、ドル買い(ユーロ売り)材料になる可能性がありそうだ。
(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ユーロ圏の景気が底入れし、インフレ率の上昇が見られる中、市場には欧州中銀(ECB)の早期緩和解除観測が広がり始めた。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-05-26 16:15