【為替本日の注目点】コミー証言の一部に安心感広がる

ドル円は109円台前半から反発。本日予定されている前FBI長官の証言の冒頭陳述原稿が公表され、内容が市場予想と大きく異なっていなかったことで安心感が広がる。ドル円は109円89銭まで買われ、この日の高値圏で引ける。ユーロドルは引き続き1.12台でもみ合い。ECBがインフレ率を下方修正するのではとの報道で、1.1214まで売られたが、1.12台はキープ。株式市場は揃って反発。コミー証言の一部が公表され安心感が広がったことで、ダウは37ドル上昇。債券相場は反落。リスク回避の流れがやや弱まったことで売りが優勢となる。長期金利は2.17%台へと小幅に上昇。金は4日ぶりに反落。原油は在庫の増加が重石となり、2ドルを超える大幅安。
4月消費者信用残高 → 81.97億ドル
ドル/円109.23~ 109.89
ユーロ/ドル1.1214~ 1.1283
ユーロ/円122.74~ 123.73
NYダウ +37.46 → 21,173.69
GOLD -4.30 →1,293.20ドル
WTI -2.47 → 45.72ドル
米10年国債 +0.028 → 2.173%
本日の注目イベント
豪 豪4月貿易収支
日 5月景気ウオッチャー調査
日 1-3月GDP(改定値)
日 4月国際収支
中 中国 5月貿易統計
独 独4月鉱工業生産
欧 ECB政策金利発表
欧 ドラギ・ECB総裁記者会見
米 新規失業保険申請件数
米 コミー前FBI長官、上院情報特別委員会で証言
加 カナダ5月住宅着工件数
本日は重要イベントが多く「スーパ-・サーズデー」と呼ばれてもいいほど、為替を動かす材料が揃っています。その中の、コミーFBI(連邦捜査局)前長官の公聴会での証言の一部が前倒しで公開されました。内容にサプライズがなかったことから、市場に安心感が広がっています。ドル円は反発し、株価は上昇、さらに金利も上昇していますが、まだ油断はできません。
内容は、やはりトランプ大統領が2月にフリン大統領補佐官に関する捜査について「これを終わらせることを望む」と述べたことを明らかにしています。1月27日にトランプ大統領と2人だけでホワイトハウスで夕食を共にした際には大統領から「私は忠誠を求める」と言われ、コミー氏は夕食会について「ある種の利益関係を確立するため」に設定されたと感じたと証言するようです。(ブルームバーグ)
トランプ大統領は昨日、空席のFBI長官にクリストファー・レイ元司法次官補を指名することをツイッターで明らかにしています。本日のコミー氏の証言で、これ以上トランプ政権を揺さぶるような発言がなければ、一旦この問題は市場の関心からはずれるものと思われます。
イギリスの総選挙に関する直近の調査では、メイ首相率いる保守党の支持率が42%で、労働党が35%となっており、その差は7%になっています。(タイムズ・ユーガブ調査)一時その差が3%ほどに縮小したこともありましたが、直近ではその差がやや拡大しているようです。保守党が負けるようなことになれば、メイ首相の辞任にもつながり、イギリスはEUからの離脱だけではなく混乱に陥ることになり、ポンドは大きく下落する可能性があります。投票現地時間夜10時まで行われ、結果が分かるのは、日本時間の明日午前中ということになりそうです。
ECBの金融政策については、こちらも昨日ECBがインフレ見通しを下方修正する準備に入っているとの報道からユーロが売られる場面もありましたが、現時点ではその下げを埋める展開になっています。ECBの政策発表とコミー氏の証言は今夜の材料になりますが、夜9時辺りから夜中にかけてが「ゴールデンアワー」になりそうです。本日の相場は読にくい展開であることは当然ですが、レンジは108円~109円50銭程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は109円台前半から反発。本日予定されている前FBI長官の証言の冒頭陳述原稿が公表され、内容が市場予想と大きく異なっていなかったことで安心感が広がる。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-06-08 09:30