【本日注目の通貨ペア】南アランド/円:薄氷の底堅さ

 先週6日に発表された南アフリカ1-3月期国内総生産(GDP)は前期比年率-0.7%と予想(+1.0%)に反して低下。昨年10-12月期(-0.3%)に続いて2期連続のマイナス成長となった事で、南アフリカは定義上の景気後退局面に入った。そのほか、先週9日には大手格付け会社ムーディーズが南アフリカの格付けを1段階引き下げた。投資不適格級への2段階引き下げは回避したが、ムーディーズは見通しを引き続き「ネガティブ」としており、転落は時間の問題とも言える。  もっとも、こうしたマイナス材料が頻発したにもかかわらず、先週の南アランド相場は底堅かった。ランド/円はGDPが発表された6日こそ比較的大きく下落したが、9日は格下げにもめげず陽線引けとなっている。前米FBI長官の公聴会や英総選挙など、不透明要素が強いイベントを通過した事で市場の警戒感が緩んだためだろう。自国の経済情勢よりも市場センチメントが値動きのカギを握るという南アランドの特性がよく表れており、今後も株や資源などのリスク資産価格に左右される展開が続く公算が大きい。  そこで、本日注目すべきは、9日に急落したアップルなどの米ハイテク株の動向だろう。ハイテクセクターが中心の米ナスダック指数は史上最高値圏から急反落して前日比-1.8%で引けた。こうした9日の動きが単なる調整であれば、本日は反発してランド/円相場を支える事になりそうだ。一方、これまで買われすぎた反動から本格的な調整局面に入ったとすれば、ハイテクセクター以外にも波及する恐れがあり、ランド/円相場にとっても重しとなる可能性がある。いずれにしても本日の米株式市場の動きに注目しておきたい。 (執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
先週6日に発表された南アフリカ1-3月期国内総生産(GDP)は前期比年率-0.7%と予想(+1.0%)に反して低下。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-06-12 16:30