サクセスHDは政府の企業内保育所への補助金も刺激材料
保育園運営のサクセスホールディングス <6065> (東2)の株価は安値圏で軟調展開だが、足元では下げ渋り感も強めてきた。昨年6月安値に接近して調整のほぼ最終局面だろう。待機児童解消対策の一環として、政府が企業内保育所を増やすため補助金を出す方針との報道も刺激材料だろう。国の重点政策を背景とする中期成長力に変化はなく、反発の動きを強めそうだ。
保育園運営のサクセスアカデミーの持株会社で、病院・大学・企業などの事業所内保育施設を受託運営する受託保育事業と、認可保育園・認証保育所・公設民営保育園・学童クラブ・児童館・全児童対策事業施設など公的保育施設を運営する公的保育事業を展開している。
13年12月末時点の運営施設数は、受託保育事業171施設(12年12月末比20施設増加)、公的保育事業63施設(うち認可保育園35施設、認証保育所5施設、学童クラブ等23施設)(同9施設増加)、合計234施設(同29施設増加)である。地域別には関東181施設、中部34施設、関西17施設、東北2施設で、神奈川県と東京都を地盤としている。
成長に向けた重点戦略として、受託保育事業は広域エリアでの拡充、公的保育事業は首都圏中心の新規開園と小規模施設の運営を進め、さらに施設運営の効率向上、人材確保・育成面でのジェイコムホールディングス <2462> グループとの連携強化、認可保育園開設用不動産の確保などを掲げている。24時間保育や英語教育の実施など高付加価値の保育サービスの提供、多様な保育需要に応じたサービスの提供も強化する方針だ。
今期(14年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比13.3%増の98億26百万円、営業利益が同16.5%減の4億67百万円、経常利益が同7.1%増の7億55百万円、純利益が同7.3%増の4億30百万円としている。認可保育園を中心とする新規施設開設や利用者数増加で増収見込みだ。営業利益は新規開園費の増加や保育士募集採用費の増加などで減益見込みとしているが、経常利益と純利益は営業外収益の公的保育事業に係る設備補助金収入が増加するため増益見込みだ。
全国の待機児童数は緩やかに減少傾向とはいえ、都市部を中心に保育サービスの需要は高水準である。政府の取り組みも17年度の待機児童解消を目指して規制緩和などの動きが活発化している。さらに政府は企業内保育所を増やすため新たに運営補助金を出す方針であり、事業所内保育所の受託運営を多数手がける当社にとって恩恵がありそうだ。国の重点政策を追い風として中期的に収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、1800円~2000円近辺のボックスレンジから下放れの形となり、全般地合い悪化も影響して水準を切り下げた。3月20日には1635円まで下押す場面があり、昨年6月の上場来安値1623円に接近した。ただし3月26日には1680円まで戻す場面があり、下げ渋り感も強めている。売り一巡して調整のほぼ最終局面だろう。
3月26日の終値1656円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS82円05銭で算出)は20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間配当30円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS327円76銭で算出)は5.1倍近辺である。日足チャートで見ると3月20日安値をボトムとして下げ渋る形だ。昨年6月の上場来安値に接近して底打ちを確認した可能性があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
保育園運営のサクセスホールディングスの株価は安値圏で軟調展開だが、足元では下げ渋り感も強めてきた。昨年6月安値に接近して調整のほぼ最終局面だろう。
economic
2014-03-27 09:15