【為替本日の注目点】米株下落ドル円102円割れ、日経配当落ち日で下げ幅拡大か

 NY市場  ドル円は、米株価の下落と長期金利の低下にともない1週間振りに102円台を割り込み、101円87銭まで下落。ただドル売りの勢いはなく、102円台まで反発して引ける。  1.38台を維持していたユーロドルは、ドイツの景気見通しの悪化や、追加緩和観測などから下落し、1.3776までユーロ安が進む。  豪ドルが堅調に推移。RBAのスティーブンス総裁は香港での講演で、年内に国内経済の勢いが強まる可能性があるとの見通しを示した。その結果、豪ドルは対米ドルでは昨年11月下旬以来となる0.922台前半まで豪ドル高が進み、対円でも94円台半ば超えまで上昇。  株式市場は反落。朝方は続伸して始まったものの、後場にはオバマ大統領がウクライナ情勢がさらに悪化する可能性を示唆したことを嫌気し下げ幅を拡大。ダウは98ドル安と前日の上昇分を吐き出す。   一方安全資産の債券は大幅に買われ、長期金利は1週間ぶりに2.7%台割れまで低下。  金は反落し、原油価格は反発し100ドルの大台を回復。  2月耐久財受注 → +2.2%   ドル/円 101.87 ~ 102.48  ユーロ/ドル 1.3776 ~ 1.3809  ユーロ/円 140.50 ~ 141.31  NYダウ -98.89 → 16,268.99ドル  GOLD -8.00 → 1,303.40ドル  WTI +1.07 → 100.26ドル  米10年国債 -0.058 → 2.692%  本日の注目イベント  中   中国 2月工業利益   欧   ユーロ圏2月マネーサプライ   英   英2月小売売上高   米   10-12月期GDP(改定値)   米   新規失業保険申請件数   米   2月中古住宅販売成約指数   米   ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演   米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演   102円台でもみ合いが続いているドル円は、約1週間振りに102円台を割り込む動きを見せました。経済指標ではドル売り円買いの材料はなかったものの、オバマ大統領がロシアは「計算を間違った」とし、制裁が強化される可能性があると発言したことで、米長期金利が3月19日以来となる2.7%割れまで低下したことが要因と見られます。  「G7」の会合ではロシアを「G8」への参加停止を決めたばかりでしたが、ロシアに対する実効的な影響は少なく、オバマ大統領はロシアの今後の行動次第ではエネルギーを含めた経済制裁にも踏み込む可能性に言及していましたが、その意志があることを内外に示した格好でした。これまで市場は、どちらかと言えばウクライナ情勢には「楽観的な見方」でした。  ドル円はその後102円台まで値を戻していますが、昨日のわずかな102円台割れの動きは、依然としてウクライナ情勢が「リスクオフ」を拡大させる可能性があることを示したことになります。欧米がエネルギーを含む経済制裁に出たら、ロシアも報復措置に出る可能性は高く、円買いに繋がることもあるため、まだ一方的に円売りを進めるわけにはいきません。  昨日はユーロドルの上値も徐々に重くなり、1.38台半ばから上値は売りゾーンになりつつあります。ECBによる追加緩和の火種は常にくすぶっており、前日のドラギ総裁の発言にも「ようするに、できることは何でもやるということだ」との言葉が見られました。25日にも、ECB政策委員会のメンバーであるスロバキア中銀総裁は、ユーロは年末までに下落する可能性があるとの見解を示し、「ECBには多くの手段があり、その一つはシステムに流動性を供給することだ」と語っています。(ブルームバーグ)テクニカル的には上昇トレンドを維持しているユーロですが、このところ値幅が拡大しているだけに、こちらも注意が必要です。  豪ドルとNZドルが上昇の勢いを増している以外、円も、ユーロも依然として一進一退です。昨日からの流れはやや「リスクオフ」に傾きつつありますが、この先NYダウの動きと、米長期金利の動きがやはり重要になります。NYダウが1万6000ドルを割り込むようだと、ドル円も101円台半ば程度には下落することが考えられます。その可能性を排除するのは米経済指標の改善です。本日のGDP改定値や失業保険申請件数にも注目です。特に失業保険申請件数には改善傾向が見られることで、この傾向が継続されるかどうか見極めたいところです。  本日は日経平均の配当落ち日です。ブルームバーグによると、計算上102円の下落要因となります。日経平均株価がこれ以上下落すると、それはNYダウの影響と円高が進んだ影響と見ることができます。下げ幅は拡大しそうな気配で、ドル円も101円50銭~102円50銭と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は、米株価の下落と長期金利の低下にともない1週間振りに102円台を割り込み、101円87銭まで下落。ただドル売りの勢いはなく、102円台まで反発して引ける。
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2014-03-27 09:15