アートスパークHDは売られ過ぎ、営業損益改善見通しを評価

  グラフィクス制作支援や電子書籍関連のアートスパークホールディングス <3663> (東2)の株価は軟調展開だが、売られ過ぎ感も強めている。売り一巡して底打ちした可能性があり、調整のほぼ最終局面のようだ。今期(14年12月期)の営業損益改善見通しに評価余地があるだろう。   セルシスとエイチアイが12年4月に統合した持株会社で、電子書籍ビューア「BS Reader」やグラフィクスソリューションなどのコンテンツソリューション事業、グラフィクスコンテンツ制作支援ツールなどのクリエイターサポート事業、3Dグラフィックス描画エンジンなどのUI/UX事業を展開している。グラフィクス技術を結集してシナジー効果を最大化する戦略だ。   マンガ制作ソフト「ComicStudio」はデジタル制作マンガのほぼすべてに使用され、01年の販売開始から世界累計出荷本数が160万本を超えている。13年11月にはセルシスの電子書籍ビューア「BS Reader for Browser」が、インフォコム <4348> グループのアムタスの電子書籍配信サービス「ekubostore」に採用された。また3月26日にはセルシスのマンガ・イラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」の出荷本数が40万本を超えたと発表している。   13年12月には、エイチアイがZMPの第三者割当増資の一部を引き受けた。ZMPが持つロボットカー関連技術で培われた車両情報入出力制御ノウハウと連携して運転支援ソリューションを提供する。また14年2月にはエイチアイがエイチアイ関西の株式を取得して孫会社化すると発表した。UI/UX事業における関西地区の事業規模拡大の拠点とする。   今期(14年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比2.4%増の37億75百万円、営業利益が63百万円(前期は69百万円の赤字)、経常利益が36百万円(同68百万円の赤字)、純利益が同39.3%減の26百万円としている。純利益は法人税等の関係で減益見込みだが、コンテンツソリューション事業での法人向けグラフィクス関連強化、クリエイターサポート事業での国内直販強化などに加えて、製品開発の効率化や原価管理の徹底などで営業黒字化を見込んでいる。   株価の動きを見ると、1月31日発表の前期(13年12月期)連結業績が計画を下回ったことを嫌気して600円近辺から400円近辺まで急落した。その後は概ね400円近辺でモミ合う展開だったが、3月中旬以降は全般地合い悪化の影響などで水準を切り下げ、3月26日には307円まで下押す場面があった。ただし3月26日終値では前日比プラス圏の323円まで切り返している。売り一巡して底打ちした可能性があるだろう。   3月26日の終値323円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円90銭で算出)は83倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS340円55銭で算出)は0.9倍近辺である。水準を切り下げて軟調展開だが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が15%程度まで拡大して売られ過ぎ感も強めている。調整のほぼ最終局面で反発のタイミングが接近しているようだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
グラフィクス制作支援や電子書籍関連のアートスパークホールディングス<3663>(東2)の株価は軟調展開だが、売られ過ぎ感も強めている。
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2014-03-27 09:30