サムコは戻り高値圏で堅調、短期調整一巡して1月高値試す
半導体製造装置のサムコ <6387> の株価は、全般地合い悪化の状況下でも戻り高値圏で堅調に推移している。短期調整が一巡して1月高値を目指す展開だろう。
半導体・電子部品業界向けに薄膜を形成するCVD(化学気相成長)装置、薄膜を微細加工するドライエッチング装置、基板表面をクリーニングするドライ洗浄装置などの製造・販売事業を展開し、次世代半導体材料である窒化ガリウム(GaN)や炭化ケイ素(SiC)など化合物半導体製造用を主力製品としている。
研究開発については当社研究開発センター(京都本社)、オプトフィルムス研究所(米国シリコンバレー)、サムコケンブリッジラボラトリー(英国ケンブリッジ大学内)の日米欧3極体制を構築して、コアテクノロジーである「薄膜技術」をベースにCVD装置、エッチング装置、洗浄装置に次いで第4の柱となる新製品の開発を進めている。
14年2月には、半導体精密洗浄装置製造・販売のリヒテンシュタイン公国UCP社の株式90%取得で合意(14年4月末に株式譲渡契約締結予定)した。当社のプラズマ洗浄装置などとのシナジー効果に加えて、CVD装置・エッチング装置などの欧州市場での販売・サービス拠点とする方針だ。
さらに3月17日には、MO-CVD(有機金属気相成長)装置メーカーの米VPE社と、同社製品の日本およびアジア地域での販売代理店契約を締結したと発表している。製品ラインナップの強化を図り、ワンストップソリューション(一貫製造ライン)を積極的に展開する方針だ。
今期(14年7月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(9月10日公表)を据え置いて売上高が前期比20.2%増の50億50百万円、営業利益が同82.6%増の6億25百万円、経常利益が同9.0%増の6億15百万円、純利益が同7.2%増の3億80百万円としている。配当予想は3月11日に、前回予想に対して3円増額の年間18円(期末一括)に修正している。
営業外での株式上場費用計上などが影響して、経常利益と純利益の伸びは小幅だが、国内の高輝度LED用途や海外の照明用LED用途など、オプトエレクトロニクス分野のCVD装置やエッチング装置の大型案件が牽引する。電子部品分野のパワーデバイスやMEMS(微小電気機械素子)用途の好調も寄与して、大幅営業増益見込みだ。
第2四半期累計(8月~1月)の進捗率はやや低水準だったが、第2四半期末(14年1月末)時点の受注残高は前期末(13年7月末)比24.8%増の12億59百万円と高水準である。中国LED市場の復調などで受注環境が好転しているようだ。営業強化策も奏功して通期計画の達成は可能だろう。
株価の動き(13年7月24日付でJASDAQ市場から東証2部市場に市場変更、14年1月9日付で東証2部市場から東証1部市場に指定替え)を見ると、2月27日に1520円まで上伸して1月高値1525円に接近する場面があったが、その後は全般地合い悪化も影響して上げ一服の形となった。ただし戻り高値圏の1200円~1300円近辺で堅調に推移し、さらに足元では1300円台半ばまで水準を切り上げて高値を目指す動きを強めている。今期の大幅営業増益を評価する動きだろう。
3月26日の終値1348円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS54円02銭で算出)は25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.3%近辺、実績PBR(前期実績のBPS972円02銭で算出)は1.4倍近辺である。週足チャートで見ると、13週移動平均線近辺から反発してサポートラインを確認した形だ。短期調整が一巡して1月高値を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
半導体製造装置のサムコ<6387>(東1)の株価は、全般地合い悪化の状況下でも戻り高値圏で堅調に推移している。短期調整が一巡して1月高値を目指す展開だろう。
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2014-03-27 09:30