【為替本日の注目点】北朝鮮ミサイル発射でドル円早朝に急落

ドル円は上値が重かったものの、109円台は維持。ジャクソンホールでのシンポジュームも終わり材料がない中、米長期金利の低下に109円05銭まで売られた。ユーロドルは続伸。1.1984までユーロ高が進み、2015年1月以来の水準を記録。今週にも1.20台に乗せるとの見方が強まる。
株式市場はほぼ変わらず。ハリケーン「ハービー」の影響から保険株に売りものが増えたもののダウは5ドル安で引け、S&P500は小幅に上昇。債券相場は一時売られていたものの、引けには先週末比で上昇。長期金利は2.15%台まで低下。ドルが対ユーロで売られたことで金は大幅に続伸。先週末に17ドル上昇し、約9カ月ぶりとなる1315ドル台に。原油価格は大幅に続落。ハリケーン「ハービー」の影響で需給が緩むとの見方から売られ46ドル台に。
ドル/円109.05~ 109.41
ユーロ/ドル1.1922~ 1.1984
ユーロ/円 130.27~ 130.97
NYダウ -5.27 → 21,808.40
GOLD +17.40 → 1,315.30ドル
WTI -1.30 → 46.57
米10年国債 -0.009 → 2.157%
本日の注目イベント
日 7月失業率
欧 英EU離脱交渉再開
仏 仏4-6月期GDP(改定値)
米 6月ケース・シラ-住宅価格指数
米 8月消費者信頼感指数
NY市場では109円25銭前後で取引を終えたドル円でしたが、今朝6時前、北朝鮮が先週土曜日に続きミサイルを発射したとの報道でドル円は一時108円34銭辺りまで売られました。北海道や東北の上空を通過した模様ですが、引き続き有事の円買いは機能しているようです。先週末に引き続きミサイルを発射したことで、米国も何らかの行動を起こすのではないかとの見方もあり、円を買う動きは前回よりも強まっているように思えます。
ドル円はNY市場では長期金利が約2カ月ぶりとなる2.15%台まで低下したことでドル売りが強まりましたが、それでも109円台を維持していました。今朝方一時的とはいえ108円台半ばを割り込んだことで、ドル円は今年4月に記録した108円13銭が視野に入ってきたと考えられます。米国が行動をおこすかどうかも重要ですが、今夜あたり上記108円前後のサポートを下抜けするのかどうか、重要な値位置に差しかかってきたと言えます。
ユーロドルも続伸し、昨日は1.1984までユーロ高が進んでいます。ここでもドル安が進んでおり、1.20の大台まであと16ポイントに迫ってきました。近いうちに1.20台に乗せると予想していましたが、問題は1.20に乗せた後、さらにそこから上昇するのかどうかです。
ECBとしても長期間続いたユーロ安がユーロ圏の景気浮揚に効果があったことは認めており、このままユーロ高が続くと、ECBの金融政策にも影響が出ることから、何らかのけん制を行ってくることも考えられます。1.20を大きく上回り、市場が一段のユーロ高を予想するようになった時には注意が必要です。
ドル円は今日辺りが注意すべき日になりそうです。108円台半ばから後半では個人投資家を中心にドル買い意欲が強かったものの、さすがに108円台前半まで来ると、ドル買いが引っ込み、様子見が増えてくると思われます。北朝鮮のミサイル発射で、本日も日本株は再び売られそうです。
日経平均株価が予想外に下げるようだと、再びドルの下値を試すことになります。円安傾向が続いている、ユーロ円や豪ドル円など、クロス円でも巻き戻しが起こる可能性もあります。予想レンジは108円~109円程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は上値が重かったものの、109円台は維持。ジャクソンホールでのシンポジュームも終わり材料がない中、米長期金利の低下に109円05銭まで売られた。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-08-29 09:45