レアアース、中国の輸出制限にWTOが「違反」の見解・・・専門家「制度を根本から覆しかねない」=中国報道

中国メディア・中国経済網は27日、中国のレアアース輸出制限について日本や米国、EUがWTOに提訴していた問題で、WTOの専門家グループが「中国の輸出管理措置は規則違反」との見解を示したことを伝えた。そして、違反との裁定が最終決定した場合は中国が長年実施してきた輸出割り当て制度全体が終結する可能性があると報じた。
記事は、WTOの慣例によれば、専門家グループの報告から60日以内であれば中国側が上訴可能である一方、3-4カ月後の最終決定でも輸出制限が規則違反と認定されれば、中国側はWTOの採決を履行し、輸出措置の変更を行わなければならないと紹介した。
そして、2009年に米国、EU、メキシコが、中国によるボーキサイトなど9種類の原料輸出制限を不当としてWTOに提訴、WTOは中国側の上訴請求を退けて12年1月に中国の規則違反とする最終裁定を下した「先例」を挙げた。
また、レアアースの世界的な需要が減っており、輸出制限を撤廃しても世界のレアアース市場の構図が変化することはないとする一方、現在中国が22品目について輸出割り当てで許可制を実施しており、今回のレアアースの輸出割り当てにかんする問題は「1980年代から実施してきた輸出割り当て制度自体を根本から覆しかねない」という中国国内専門家の意見を伝えた。
記事はこのほか、中国政府・工業信息部が2012年よりレアアース業界の秩序整備を進め、WTOで敗訴したばあいに「ヤミ業者」による無計画な採掘、資源流出を防ぐ対策を進めていることを紹介した。また、中国WTO研究会の専門家からは「米国の原油、天然ガス輸出に対する訴訟準備など、わが国も積極的に『反撃』を仕掛けるべきだ」との意見も出たことを併せて伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディア・中国経済網は27日、中国のレアアース輸出制限について日本や米国、EUがWTOに提訴していた問題で、WTOの専門家グループが「中国の輸出管理措置は規則違反」との見解を示したことを伝えた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-03-27 10:45