テラは調整のほぼ最終局面、切り返しの動きで底打ちの可能性も
バイオベンチャーのテラ <2191> (JQS)の株価は水準を切り下げて軟調展開だったが、足元で売られ過ぎ感を強めている。調整のほぼ最終局面だろう。3月27日の切り返しの動きで底打ちした可能性もありそうだ。
東京大学医科学研究所発のバイオベンチャーで、細胞治療技術開発事業(樹状細胞ワクチン療法を中心とした独自のがん治療技術を契約医療機関に提供)と、細胞治療支援事業(医療機関から受託する細胞加工施設の運営・保守管理サービス、および治験支援サービス)を展開している。
細胞治療技術開発事業は症例数に応じた収入が収益柱である。13年12月末時点で契約医療機関数は全国33カ所、契約医療機関における累計症例数は約7600症例に達し、14年1月に白山通りクリニック(東京都江東区)と連携契約を締結して契約医療機関数は全国34カ所となった。
成長戦略も加速している。13年4月iPS細胞による再生医療実用化を目指すヘリオスに出資、13年5月がん新薬を中心とした治験支援事業に参入するため子会社タイタンを設立、13年7月「免疫制御性樹状細胞の調整法およびその用途」に関する独占的実施権を取得、アンジェスMG <4563> と子宮頸がんの前がん病変治療ワクチンの共同研究・開発の基本契約を締結、13年10月北里研究所と共同で肝細胞がんに対する樹状細胞ワクチン療法の第Ⅰ相臨床試験を開始、13年12月iPS細胞を利用したがん免疫細胞療法の開発に向けてヘリオスと業務提携した。
14年1月には連結子会社テラファーマを設立し、がん治療用再生医療等製品として樹状細胞ワクチン「バクセル」の承認取得を目指している。14年2月にはゲノム解析ソフトウェア開発のジナリスと合弁で連結会社ジェノサイファーを設立した。がん患者における個別化医療実現のためゲノム診断支援事業を推進する。
今期(14年12月期)の連結業績見通しは売上高が前期比35.7%増の20億90百万円、営業利益が1億35百万円の赤字(前期は23百万円の黒字)、経常利益が1億56百万円の赤字(同24百万円の赤字)、純利益が1億54百万円の赤字(同58百万円の赤字)としている。樹状細胞ワクチン「バクセル」の承認取得に向けた研究開発費増加など、先行投資負担で営業損益が悪化する見込みとしている。ただし売上高については、症例数増加や細胞治療支援事業の業容拡大などが牽引して大幅増収見込みだ。
株価の動きを見ると、全般地合い悪化の影響に加えて、今期営業損益の悪化見通しを嫌気した売りで軟調展開が続いた。ただし3月27日は前日比164円(11.12%)安の1311円まで急落して昨年6月安値を割り込んだ後に切り返し、終値では一転して前日比53円(3.59%)高の1528円まで戻す動きとなった。売り一巡して底打ちした可能性があるだろう。日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が14~15%に拡大して売られ過ぎ感を強めている。反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
バイオベンチャーのテラ<2191>(JQS)の株価は水準を切り下げて軟調展開だったが、足元で売られ過ぎ感を強めている。
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2014-03-28 09:30