【為替本日の注目点】ドル円2週間ぶりに111円台半ばへ

 ドル円はCPIなど、米経済指標が予想を下回ったことや、長期金利の低下を手掛かりに111円台半ばまで売られる。9月のCPIは+0.5%と、予想を下回ったことで利上げのペースが遅れるとの見方から111円69銭までドル安が進む。ユーロドルは1.18台で小じっかり。ドルが軟調になると1.1875までユーロが上昇したが、依然としてECBの政策発表を待つ姿勢が続く。  株式市場は反発。ミシガン大学消費者マインドが13年ぶりの高水準だったことで楽観論が浮上。ダウは30ドル上昇。債券相場は大幅に上昇。CPIが予想に届かなかったことで、買い物を集める。長期金利は2.273%台と、約2週間ぶりに2.3%台を割り込む。金は続伸し1300ドル台を回復。原油価格も上昇し51ドル台に。 9月消費者物価指数             →  +0.5% 9月小売売上高               →  +1.6% 10月ミシガン大学消費者マインド(速報値) →  101.10 ドル/円111.69 ~ 112.30 ユーロ/ドル1.1805 ~1.1875 ユーロ/円  132.11~ 132.71 NYダウ +30.71 → 22,871.72 GOLD +8.10 →1,304.60ドル  WTI  +0.85→ 51.45   米10年国債  -0.045  → 2.273% 本日の注目イベント 日   8月鉱工業生産(確定値) 中   中国 9月消費者物価指数 中   中国 9月生産者物価指数 欧   ユーロ圏8月貿易収支 米   10月NY連銀製造業景気指数 米   企業決算 → ネットフリックス-    先週末に発表された米9月の消費者物価指数(CPI)は+0.5%で、食品、エネルギーを除くコア指数も+0.1%と、いずれも市場予想を下回っていました。米経済は雇用を中心に緩やかに拡大はしているものの、インフレ率だけが「悩みの種」になっている状況が鮮明です。  このインフレ率について、ワシントンで開催されていた「G20」で、イエレン議長は「消費者物価が驚くほど弱い期間を経て間もなく加速するというのが、私の最も有力な見方だ」と述べ、低調なインフレ統計に関して「こうした低調な統計は長続きしないと想定」し、「景気の継続した強さが漸進的な利上げを裏付けるだろう」と語っています。(ブルームバーグ)  足元では、12月利上げの確率は高く、今年3回目の利上げはあるだろうと予想していますが、今後のインフレ率の水準によって、来年も3回の利上げが見込まれているこの想定に、影響を及ぼすことになります。「G20」会合後にはドラギECB総裁も、インフレ目標達成には自信を示す発言を行っています。総裁は、「われわれは何度も明確にしたように、状況が引き続き改善する中で、インフレ率が自律的でECBの目標に持続的な形で徐々に収れんすると確信している」と述べ、「そうした自信とともに、それには時間を要するため、われわれは辛抱強くなる必要がある」と語っています。  来週26日にはECB理事会が開催され、金融政策の変更に言及するとの見方が根強くありますが、上記の言葉からはその可能性はやや低下した印象もあります。  ドル円は先週末のNY市場では約2週間ぶりに111円台半ばまでドル売りが進み、112-113円のレンジを下放れた印象もありますが、これは長期金利の低下が急だったことに反応したものと理解しています。  週明けのオセアニア市場では112円近辺までドルが反発する場面もあり、まだどんどん下値を探りに行く展開ではありません。本日も日本株は堅調に推移しそうです。ただ先週の株と為替の関係を見ると、むしろ「逆相関」を見せており、株高からドル高を連想しにくくなっていることには注意が必要です。 本日は111円40銭~112円40銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はCPIなど、米経済指標が予想を下回ったことや、長期金利の低下を手掛かりに111円台半ばまで売られる。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-10-16 09:30