【為替本日の注目点】NYダウ一時2万3千ドルに乗せる

ドル円は前日とほぼ変わらず。経済指標が予想通りであったということもあり、112円台前半から半ばで推移。ユーロドルは反落。1.1736まで売られた。スペイン・カタルーニャ州の独立問題が依然として重石との指摘も。
株式市場は続伸。好調な企業業績を背景にダウは一時2万3000ドルの大台に乗せる。引け値では大台乗せにはならなかったものの前日比40ドル高。債券は小動き。経済指標も材料にはならず、長期金利は2.30%と前日比やや低下して引ける。金は大幅に続落。原油は小幅ながら3日続伸。
9月鉱工業生産 → +0.3%
10月NAHB住宅市場指数 → 68
9月設備稼動率 → 76.8%
ドル/円111.13 ~ 112.48
ユーロ/ドル1.1736 ~1.1775
ユーロ/円 131.86~ 132.19
NYダウ +40.48 → 22,997.44
GOLD -16.80 →1,286.20ドル
WTI +0.01→ 51.88
米10年国債 -0.004 → 2.30%
本日の注目イベント
中 中国共産党第19回全国代表大会開幕
英 英9月雇用統計
米 9月住宅着工件数
米 9月建設許可件数
米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
米 ダドリー・NY連銀総裁講演
米 カプラン・ダラス連銀総裁講演
米 企業決算 → アルコア、アメックス
ドル円は前日と同じ水準で小動きでした。112円13銭から112円48銭までの値動きで、値幅も36銭程度と、この水準では新規の実需も売り買い出にくい模様です。一方、株式市場ではダウはザラ場で初となる2万3000ドルの大台乗せを達成する場面もあり、好調な企業業績を背景に強気の展開が続いています。
この日は大手金融機関やジョンソン&ジョンソン(J&J)が決算発表を行い、いずれも好調でした。特にJ&Jは通期の見通しを上方修正しており、株価の上昇に一役かっています。ダウは引け値では2万3000ドルを2ドルほど下回る水準でしたが、2万2000ドルの大台を達成したのが9月11日で、わずかひと月ほどで1000ドル上昇したことになります。
米国人のポートフォリオで、株に対する割合いは日本に比べると非常に高く、投信も含めると40%近いといわれています。ダウやS&P500が史上最高値を更新しているということは、取りも直さず株に資金を配分している投資家はほぼ全員が儲かっていることになります。この「資産効果」は個人消費につながり、いずれ物価を押し上げるというのが、FRBが描いているシナリオです。
足元ではWTI原油価格も51ドル台後半で推移しており、高水準です。このままの状況で推移すれば、個人消費の拡大とガソリン価格の上昇が、FRBの物価目標に届くのも、そう遠くないのかもしれません。北朝鮮リスクは高まってはいるものの、動きはありません。今週から米韓合同軍事演習も始まり、やや緊張が高まってはいますが、今のところ動きはありません。
来月3日からはトランプ大統領が日中韓を歴訪することになっています。この期間中に北朝鮮がミサイルを発射することも予想されていますが、一方でティラーソン国務長官などが対話の糸口を模索しているとも伝えられています。好調な株価の動きからは、不穏な動きは感じられません。
ドル円は一進一退を続けています。米金利に大きな変化が見られないことで、やや膠着感も出ていますが、112円台というのが「居心地のいい水準」なのかもしれません。
本日のドル円は111円50銭~112円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は前日とほぼ変わらず。経済指標が予想通りであったということもあり、112円台前半から半ばで推移。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-10-18 10:00