今週の為替相場見通し(2017年10月30日~)=為替王

 先週の為替は連日1ドル=114円へ円安が進む場面があったのですが、毎回、押し戻されて、先週末も結局、113円台でした。先週金曜日夜、アメリカで注目されたGDP発表。前期比年率プラス3.0%も伸びており、アメリカ経済が力強く拡大していることが確認できました。それを受けて、為替市場ではドル買いが進み、金曜夜、一時、114.4円まで円安が進みました。が、すぐに失速して、またいつもの113円台に戻ってきました。現状のトレンド判断としては、「円安トレンドは継続中」との見方になります。先週の金曜日、円安の流れがすぐに失速したことは残念でしたが、一時的であっても、今月の高値(円安値)を更新する場面があり、そのことからも、トレンドは崩れていないとの判断になります。今週も引き続き、円安予想値115円に到達することを期待したいです。一方で、円高に動いた場合の注目ポイントは112円台半ばあたり。その水準が下値サポート帯として作用しやすいと見ています。    今週、注目したい通貨はユーロ円。1ユーロ=132円が重要なサポート帯であることについて何度か言及してきました。先週金曜夜、その132円の重要サポート帯上での攻防が見られました。結果は、微妙な情勢ながら、重要サポート帯を割り込んだと判断してよい状況ではないかと思われます。こうなりますと、今週、(短期的には再び132円以上へ回帰しようとの動きもみられるかもしれませんが)、方向性は下向き。しかも、9月後半以降、およそ132円~134円台の高値圏で蓄積された相場エネルギーがやや大きくなっています。そのエネルギーがすべて下方に噴出されると仮定しますと、ユーロ円の下落メドはずばり127円が浮上します。つまり、今年4月以降、調整らしい調整もなく、ほぼ階段状に上昇してきたユーロ円相場でしたが、そろそろ、しっかりした調整が入るシナリオも考えられるといってよいかもしれません。    トルコリラ円について。先週また1リラ=29円台へと下落する場面がありました。これはトルコで何か問題が起きたということではなくて、先週は、ドルが買われる一方で、新興国の通貨全体が売られる状況がありました。原因は、トルコ固有の問題ではなかったとしても、先日(10月上旬)に起きたトルコとアメリカの対立によるリラ急落のあと、それほど日が経たないうちに再び、このように下落する動きはあまりよろしくありません。チャート分析の観点では、方向性は下向き。経済好調なドル(アメリカ)に投資マネーが流れる一方で、新興国からマネーが引き揚げられる動きが続きますと、トルコリラは再び、先日の安値、すなわち29円近辺が最大の下落メドとして浮上することになります。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
先週の為替は連日1ドル=114円へ円安が進む場面があったのですが、毎回、押し戻されて、先週末も結局、113円台でした。(イメージ写真提供:123RF)
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2017-10-30 09:00