中国レアアース、輸出規制のWTO判断に・・・「わが国は環境汚染を引き受けてきた」=中国

 世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)が、中国のレアアース(希土類)に対する輸出規制はWTO協定に違反していると判断したことについて、中国レアアース学会の張安文副秘書長は「レアアース消費国が謝意を示すどころかわが国を批判していることが理解できない」と述べた。新華社が報じた。  報道によれば、内モンゴル自治区包頭市の鉱山では1トンのレアアース酸化物を精鉱するうえで2~3万立法メートルもの廃ガスおよび60トン以上の排水が出るほか、中国南方の鉱山では中・重希土類を1トン精鉱するために1000トンから3000トンもの残滓が出るという。  張副秘書長は「わが国は環境保護のうえで大きな代価を支払っているにもかからず、レアアース価格は長期的に低く抑えられ、あるべき価格を実現できていない。これではレアアース産業が健全に発展することは不可能だ」と主張した。  さらに張副秘書長は、一部の国は中国から得たレアアースで巨大な利益を得ていると批判し、「一部の先進国はコストや環境汚染といった要素から自国のレアアースを採掘せず、さらに他国から高い値段でレアアースを購入することすら望んでいない。そのため国際的なレアアース市場において、需要側と供給側の利益は明らかに不釣合いな状況だ」と指摘した。  張副秘書長は「わが国のレアアースは質が高く安価であるが、採掘による環境への負担は極めて大きい。わが国は長年にわたって環境汚染を引き受けてきたのであり、レアアース消費国が謝意を示すどころかわが国を批判していることが理解できない」と述べた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)が、中国のレアアース(希土類)に対する輸出規制はWTO協定に違反していると判断したことについて、中国レアアース学会の張安文副秘書長は「レアアース消費国が謝意を示すどころかわが国を批判していることが理解できない」と述べた。(イメージ写真提供:123RF)
china,economic,resource
2014-03-29 18:30