高速鉄道の輸出プロジェクトに、「政治的介入」が最適・・・「インドやベトナムはわが国を恐れている」=中国メディア

 高速鉄道の輸出プロジェクトを加速させている中国だが、一部の国からは「経済安全保障」を理由に中国高速鉄道の導入を拒絶される事態に直面している。また、インドやベトナム、タイなどとの協議でも相次いで問題が浮上していることについて、中国メディア・西陸網は「政治的介入を行うことが最適な方法」だと論じた。  中印両国が18日に北京で行った第3回戦略経済対話で交わされた覚書には「高速鉄道」の文字は1字も見られなかった。記事によれば、「インドは初の高速鉄道建設について、中国に助けを求めるつもりはなく、インドへ積極的に売り込んでいた中国の高速鉄道関連企業にとっては大きな打撃」だという。  記事によると、インド側は「中国高速鉄道の安全性に対する懸念」については否定したものの、中国との協力を順調に進めるにあたっては、「中国の国力増強に対する警戒心と懸念」の解消が必要だと語った。  インド同様、ベトナムも中国に対して「警戒心と懸念」を持っている。記事は「高速鉄道を建設するにあたって、ベトナムは中国との協力がベストであることは理解しているが、中国とベトナムが高速鉄道で結ばれた後、中国軍が高速鉄道でハノイやホーチミンに攻めてくるのではないかと懸念している」と論じた。  インドやベトナムと同様に、中国とタイの高速鉄道協力も暗礁に乗り上げている。タイ商務省は4日、高速鉄道とコメを「物々交換」で決済する計画の一部撤回を発表したほか、タイの憲法裁判所は2月、インフラ建設の貸し付け計画について審査を行うと発表、仮に憲法違反であると判断された場合、同計画はストップする見通しだ。  記事は、「1960年代に中国と戦争したインド、70年代に戦争したベトナムは経済的理由から中国に依存せざるを得ないだけで、内心は中国を拒絶し、恐れている」と論じた。さらに、「インドやベトナム、タイなどでの苦戦ぶりから、わが国の高速鉄道の輸出は通常の投資行為よりもはるかに困難であることが分かる。こうした国々に投資する場合は“経済安全保障”を口実に政治的介入を行うことが最適な方法だ」と主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Francisco De Casa Gonzalez/123RF.COM)
高速鉄道の輸出プロジェクトを加速させている中国だが、一部の国からは「経済安全保障」を理由に中国高速鉄道の導入を拒絶される事態に直面している。(イメージ写真提供:(C)Francisco De Casa Gonzalez/123RF.COM)
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2014-03-30 21:00