寿スピリッツは東証1部市場を好感、成長力も評価して上値追い

  菓子製造販売の寿スピリッツ <2222> (東2)の株価は東証1部市場への指定替えを好感して高値に接近した。中期成長力も評価して上値追いの展開だろう。  「ラングドシャ」ブランドなどを展開する山陰地区の寿製菓、「ルタオ」ブランドなどを展開する北海道のケイシイシイ、首都圏で洋菓子を多ブランド展開するシュクレイ、「赤い風船」ブランドなどを展開する九州の九十九島グループなどを傘下に擁し、地域限定ブランド菓子を製造・販売している。駅・空港・高速道路など、交通機関チャネルの出店・販売比率が高いことも特徴だ。  企業ビジョンとして「全国各地のお菓子のオリジナルブランドとショップブランドの総合プロデューサー」を掲げ、新ブランド・新商品・新業態・新店舗創り、新ビジネス開発、海外展開を推進している。新規分野のジャパルシーは健康食品「栃(とち)」と「藍(あい)」を販売し、ジュテックスは通販基幹業務システムサービスを提供する。  3月28日には、九十九島グループが展開して福岡・中央区大名で大人気のフレンチトースト専門店「Ivorish(アイボリッシュ)」が、福岡に続いて東京・渋谷公園通りに「Ivorish渋谷」を4月20日にオープンすると発表した。  海外展開では13年7月、台湾・台北市に海外初出店となるカフェ店舗「KONAYUKI」を立ち上げた。また13年11月には「栃の実」に含まれるポリフェノールを「ヘリコバクター・ピロリ接着抑制剤」として特許を取得した。事業領域拡大で中期成長への期待感が高まる。  今期(14年3月期)連結業績見通しについては、売上高が前期比5.3%増の217億50百万円、営業利益が同12.2%増の21億円、経常利益が同11.1%増の21億円、純利益が同12.2%増の11億70百万円としている。ケイシイシイの新業態出店やネット通販強化、首都圏でのシュクレイの洋菓子販売強化、遷宮・奉祝イベントで観光客が増加している東海地区・山陰地区の好調、クリスマス・年末商戦の好調、新規事業の本格化、さらに寿製菓の製造採算の改善などで最高益更新の見込みだ。  第3四半期累計(4月~12月)の進捗率は売上高が78.7%、営業利益が88.6%、経常利益が89.3%、純利益が87.4%と高水準だった。2月の関東圏での大雪の影響がやや懸念要因となるが、影響は一時的で通期上振れの可能性があるだろう。なお3月14日には今期配当予想の増額修正を発表している。従来予想から10円増額の年間40円(期末一括、普通配当35円+記念配当5円)として、前期との比較でも10円増配となる。  3月27日には、4月3日付での東証2部市場から東証1部市場への指定替えを発表した。株価の動きを見ると、全般地合い悪化の影響を受けて1850円~1900円近辺でのモミ合いから水準を切り下げる場面があったが、3月27日発表の東証1部市場への指定替えを好感し、3月28日には1968円まで急伸して1月高値1998円に接近する場面があった。  3月28日の終値1882円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS112円79銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS683円47銭で算出)は2.8倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が接近して水準切り上げの動きとなった。サポートラインを確認した形であり、上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
菓子製造販売の寿スピリッツ<2222>(東2)の株価は東証1部市場への指定替えを好感して高値に接近した。中期成長力も評価して上値追いの展開だろう。
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2014-03-31 09:15