【為替本日の注目点】ドル上昇2週間ぶり102円台後半、米株高や資源国通貨高で

 NY市場  ウクライナ情勢がやや沈静化する中、豪ドルなどの資源国通貨が買われ「リスクオン」が進み、円はドルを含む主要通貨に対して下落。ドル円は102円98銭まで上昇し、レンジを上抜けしたかどうかを確認する動き。   ユーロドルはもみ合いながら欧州時間に1.37割れ目前まで下落したが、その後は切り返し1.37台半ばで推移。   株式市場は反発。2月の個人消費が過去3ヶ月で最大の伸びとなったことを受け、ダウは58ドル高。   債券は3日振りに反落。株高や資源国通貨高に「リスクオン」が進み、債券は売り優勢の展開に。長期金利は2.72%台まで上昇。   金は3日続落。原油は続伸。   2月個人所得 → +0.3%   2月個人支出 → +0.3%   2月PCEコアデフレーター  → +1.1%   3月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) → 80.0   ドル/円 102.35 ~ 102.98  ユーロ/ドル 1.3736 ~ 1.3772  ユーロ/円 140.54 ~ 141.63  NYダウ +58.83 → 16,323.06ドル  GOLD -0.40 → 1,294.30ドル  WTI +0.39 → 101.67ドル  米10年国債 +0.039 → 2.720%  本日の注目イベント  日   2月鉱工業生産    欧   ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)   米   3月シカゴ購買部協会景気指数   米   イエレン・FRB議長講演   米   IMF、国際金融安定報告   加   カナダ1月GDP    ウクライナ情勢は依然として小康状態が続き予断は許さないものの、ロシアのプーチン大統領とオバマ大統領が電話会談を行うなど、状況がすぐに好転しないながらも緊張がやや後退しています。そうなると、米経済指標に目が向きがちになり、先週末は個人消費の拡大で消費関連株が買われ、株高からドル円では円売りが進み、目先のレジスタンスであった102円台半ばを大きく上抜け、103円目前まで「ドル高円安」が進行しました。  101円50銭~102円50銭が概ね取引レンジと見られていましたが、今回は上値を抜け、3月12日以来のドル高水準ということになります。「2月の雇用統計」発表で103円77銭まで上昇した後、101円台まで下落したことを考えると、まだ手放しでドル高を志向する場面ではないと思われます。102円半ばを底値にもみ合う展開が続けば、その後の上昇が見込まれることになりそうですが、今週はひとまずドルの底値を固める動きになると予想します。  ただ底値固めに失敗すれば、再び元のレンジ相場に戻ることになりますが、その際の焦点は、これまで上値の目処であった102円台半ばが維持できるかどうかです。一目均衡表では「1時間足」では既に「好転」を見せており、上昇トレンドが見込めますが、「日足」では相場の先行きを表すとされる「基準線」が依然として「横ばい」であることから、短期的にはドルの上昇は限定的と見られます。  しかも、「転換線」はまだ「基準線」を下回っていることにも注意が必要です。「基準線」は現在の相場水準が続いても、来週には「上向き」に転じると予想されますが、それまでに103円77銭を上抜けできれば、もちろん「上昇に転じる」ことになります。その意味でも、上記103円77銭は意識される水準と同時に重要な水準でもあります。  今週は本日のイエレン議長の講演を皮切りに、中国のPMI、ECB理事会、そして週末には雇用統計が控えています。今年も3ヶ月が経過し、この間の値幅は5円に届いていません。そろそろ明確な方向性が出てもおかしくありません。今週の一連のイベントがその最初のアプローチになる可能性もあります。  ウクライナ、中国の景気減速というドル下落リスクがある程度軽減できるとすれば、日米の金融政策の差が大きな要素になることは言うまでもありません。FRBは出口に向かって着実に歩みを進めています。一方日本では明日からの消費税引き上げの影響が不透明です。追加緩和期待から、一部には5月に日銀が追加緩和に踏み切るとの見方もあるようですが、個人的には7月ー9月あたりが「ヤマバ」になると予想します。この7月-9月の第三四半期GDPは11月に発表されることから、ここで2015年10月からの「消費税10%」も、実施されるか見送られるかが決まるはずです。  本日は102円50銭~103円30銭程度を予想します。株価も上昇しそうな気配で、100円程度の上昇であれば103円30銭の上抜は海外市場に委ねることになりそうです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ウクライナ情勢がやや沈静化する中、豪ドルなどの資源国通貨が買われ「リスクオン」が進み、円はドルを含む主要通貨に対して下落。ドル円は102円98銭まで上昇し、レンジを上抜けしたかどうかを確認する動き。 
2014-03-31 09:15