ケンコーマヨネーズは、中期成長力を評価し1月高値へ
業務用マヨネーズ・ドレッシング類大手のケンコーマヨネーズ <2915> の株価は、3月期末の配当権利落ちで反落する場面があったが、素早く切り返しの動きだ。指標面の割安感も支援材料であり、中期成長力を評価して1月高値を試す展開だろう。
サラダ類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品などの調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜などの総菜関連事業、その他事業(ショップ事業、海外事業)を展開している。中期経営計画で掲げた「サラダカフェ」「サラダ料理」「世界のソース」「タマゴ製品」など、事業領域拡大戦略が順調に進展している。海外は、中国で15年3月期中の単月黒字化を目指し、インドネシアではハラル認証を取得して13年10月から生産・販売を開始した。
サラダカフェ事業は、30店舗構想を掲げて百貨店やショッピングモールへのショップ展開を加速し、13年9月末時点の店舗数は16店舗となった。さらに業務用メーカーからの脱皮を目指して、個食化に対応した小袋形態のロングライフサラダ「サラダのプロがつくった」シリーズを13年9月に発売するなど、BtoC市場への事業展開も強化している。
3月28日には静岡富士山工場(静岡県富士市)の竣工式を執り行った。中期経営計画における「事業領域の拡大」の一環として設立した新工場で、製造ラインは連続一貫生産工程となり、厚焼き卵、だし巻き卵、錦糸卵などを製造予定としている。
前期(14年3月期)の連結業績見通し(5月9日公表)は、売上高が前々期比1.8%増の555億円、営業利益が同2.1%減の27億20百万円、経常利益が同0.2%増の25億80百万円、純利益が同0.8%増の14億20百万円としている。鶏卵など原材料価格の上昇、新工場稼働に向けた先行費用などで利益横ばい計画だが、売上はメニュー提案力強化などの施策が奏功して好調に推移する。
第3四半期累計(4月~12月)は原材料価格の上昇で営業減益だったが、通期見通しに対する進捗率は売上高が79.3%、営業利益が77.6%、経常利益が77.1%、純利益が80.2%と高水準であり、価格改定浸透、工場稼働率上昇、コスト低減などの効果などで好業績が期待される。さらに今期(15年3月期)は、鶏卵や野菜の価格が安定すれば収益が一段と拡大しそうだ。
株価の動きを見ると、第3四半期累計の営業減益を嫌気した2月18日安値870円から反発し、3月26日には戻り高値となる926円まで上値を伸ばした。3月27日は配当権利落ち(3月期末11円)も影響して886円まで調整する場面があったが、足元では910円近辺まで戻して切り返しの動きを強めている。1月高値を窺う態勢のようだ。
4月1日の終値908円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS99円92銭で算出)は9倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間21円で算出)は2.3%近辺、そして実績PBR(前々期実績の連結BPS1041円54銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって水準切り上げの動きを強めている。強基調に回帰した形であり、指標面の割安感も支援材料として1月高値950円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
業務用マヨネーズ・ドレッシング類大手のケンコーマヨネーズ<2915>(東1)の株価は、3月期末の配当権利落ちで反落する場面があったが、素早く切り返しの動きだ。
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2014-04-02 07:30