【為替本日の注目点】円全面安103円後半、株高と米景気拡大観測からドル続伸

 NY市場  ドル円は103円台を維持しながら緩やかに上昇。米国の株と長期金利の上昇を支えに103円71銭までドル高が進み、3月のドル高値に迫る。   ユーロドルも上昇。ドイツの失業者数が予想以上に減少したことを受け、ユーロ圏の景気回復が勢いづいているとの見方が広がり、1.38台前半までユーロ高が進む。ユーロは対円でも約4週間振りに143円台まで上昇。   株式市場は3日続伸。製造業景況指数の上昇を手がかりにダウは74ドル高と、昨年末以来の1万6500ドル台に乗せる。S&P500は史上最高値を更新。   債券相場は続落。株高と米景気拡大観測が広がり、安全資産の債券は売りものが優勢な展開に。長期金利は2.75%台まで続伸。   金はロシア軍の一部撤退でウクライナ情勢が好転したことで5日続落。原油価格も大幅に反落し、100ドルの大台を割り込む。   3月ISM製造業景況指数 → 53.7   ドル/円 103.30 ~ 103.71  ユーロ/ドル 1.3789 ~ 1.3815  ユーロ/円 142.51 ~ 143.05  NYダウ +74.95 → 16,532.61ドル  GOLD -3.80 → 1,280.00ドル  WTI ー1.84 → 99.74ドル  米10年国債 +0.036 → 2.755%  本日の注目イベント  豪   豪2月住宅建設許可件数   日   3月日銀短観   日   3月マネタリーベース   欧   ユーロ圏2月生産者物価指数   米   3月ADP雇用者数   米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演   米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演   米   ラガルド・IMF専務理事講演   ドル円は103円台を一度も割り込むことなく緩やかに上昇しています。背景は、ウクライナの緊張がやや緩和されつつあることと、ここにきて米景気に対する強気の見方が広がってきたことで、「株高、金利高」が進み、リスクオンの流れが低金利の円売りにつながっていることです。ドル円はNY市場で、一時103円71銭まで上昇し、3月7日の雇用統計直後に記録した103円77銭に手が届く水準まで来ました。  米経済指標もそこそこ堅調で、昨日もISM製造業景況指数が前月よりも拡大しており、今週末の雇用統計にも強気の見方が広がっています。3月の雇用統計では非農業部門雇用者数は19万人で、失業率は6.6%が市場のコンセンサスですが、米大手銀行の中には23万人と予想するところもあり、ドイツ系銀行では27万人を超えると予想しているところもあります。もし20万人を超えれば、昨年11月以来ということになり、米景気拡大を裏づけることになり「リスクオン」が一段と進む可能性もあります。  昨日はさらに3月の自動車販売も発表され、天候が回復したことから販売台数が予想以上に伸び、前年同月比5.7%増加し、台数も154万台と、年率換算で1580万台に届く水準を回復しています。特にGMやトヨタは好調で、販売台数を伸ばしているようです。3月は寒波の影響もなく客足が伸びたと報告されていますが、この結果は週末の雇用統計にも好材料と見ることもでき、雇用拡大への連想につながります。  円は主要通貨に対して一段と売られ、ほぼ全面安の様相です。ドル円も一時は103円71銭までドル高が進み、先月7日に記録した103円77銭が視野に入って来ました。この水準を明確に上抜けできれば、105円台にも手が届きそうです。一気に105円までドル高が進むことにはならないと思いますが、週末の雇用統計の改善などを手がかりにゆっくりと105円に向かうと考えられます。  テクニカル面でもドル円の上昇を示唆しており、昨日述べたように「日足」では「転換線」が「基準線」を上抜けしており、「MACD」もマイナス圏からプラス圏に移行しつつあります。ウクライナ情勢の悪化や、中国景気の先行きに大幅な懸念材料が出てこない限り、リスクオンの流れが継続されそうな気配です。  ドル円はそれでも104円に近づく水準では、新年度入りした実需のドル売りも見られそうです。このところ東京タイムでは極めて値幅が狭く、勝負は午後4時以降ということになりますが、まずは103円77銭を抜くことができるかどうかです。今夜はADP雇用者数が発表されます。事前予想は19万5000人で、昨年11月以来の高水準が見込まれています。本日のレンジは103円30銭から104円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は103円台を維持しながら緩やかに上昇。米国の株と長期金利の上昇を支えに103円71銭までドル高が進み、3月のドル高値に迫る。 
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2014-04-02 09:30