【為替本日の注目点】日米首脳会談待ち

 ドル円は日米首脳会談を控えて小動き。経済指標が好調だったことで107円21銭までドルが買われたが、勢いもなく、107円を挟む水準で取引を終える。ユーロドルはやや下落。ドイツのZEW景況指数が予想を下回ったことで軟調となり、1.2336前後まで売られる。  株式市場は続伸。ネットフリックスなど、好調な企業決算を手掛かりにダウは213ドル上昇。ナスダック指数も124ポイント高と続伸。債券相場は小幅に下落し、長期金利は2.82%台へとやや上昇。金は小幅に反落し、原油は反発。 3月住宅着工件数 → 131.9万件 3月建設許可件数 → 135.4万件 3月鉱工業生産  → +0.5% 3月設備稼働率  → 78.0% ドル/円   106.89 ~ 107.21 ユーロ/ドル 1.2336 ~ 1.2376 ユーロ/円  132.10 ~ 132.46 NYダウ   +213.59 → 24,786.63ドル GOLD   -1.20   → 1,349.50ドル WTI    +0.36   → 66.52ドル 米10年国債 +0.002  → 2.829% 本日の注目イベント 日  3月貿易収支 欧  ユーロ圏3月消費者物価指数(改定値) 英  英3月物価統計 米  ベージュブック(地区連銀経済報告) 米  ダドリー・NY連銀総裁講演 米  クオールズ・FRB副議長講演 米  企業決算 → モルガン・スタンレー、アメックス、アルコア 加  カナダ中銀政策金利発表  いよいよ日米首脳会談が始まり、市場は米国側から何が飛び出してくるのか固唾を呑んで見守っています。そのためドル円は手がけにくく、昨日のNY市場では値幅も30銭程度と、閑散でした。米長期金利の動きが鈍いこともドル円を膠着させていますが、会談を控え、「嵐の前の静けさ」なのか、「杞憂に終わるのか」、ボールは米国側にあると言えます。  米中の貿易戦争は回避の方向に進んでいるようです。先週のアジアフォーラムで習近平主席が「市場開放」に言及したことから、中国政府は早くもその行動に出ました。中国は2022年に外資系自動車メーカーが中国で乗用車を生産合弁する際の出資規制を撤廃すると発表しました。米国との貿易摩擦を避けたいとする考えをアピールしたものと見られますが、電気自動車や商用車など、全ての自動車産業の外資規制を撤廃するというものです。トランプ大統領はこの規制撤廃に気を良くし、日本にも同じように目に見える実績を求めてくる可能性も出てきました。  トランプ大統領は「われわれは拉致問題を取り上げる」と述べ、北朝鮮問題に関しても突っ込んだ意見交換が出来そうな雰囲気をかもし出しています。大統領は米朝首脳会談に関しても、会談の開催地として5カ所を検討していることも明らかにしています。また同時に、時期については6月初めないし、それ以上早くなる見込みだが、そうでない場合には、会談が行われない可能性があることもあると語っています。(ブルームバーグ)今朝の段階では両首脳はまだ顔合わせ程度ですが、現時点では和やかな滑り出しのようです。  ドル円は先週末には107円78銭まで上昇しましたが、結局107円を挟む水準で上下しています。首脳会談で米国側から何が出て来るのかが全てですが、どちらかといえば今回の会談では日本に対する圧力が高まってくると見られます。日本側は「通商問題」と「拉致問題」さらに「北朝鮮の核開発廃絶問題」などについて話し合いたい意向のようですが、果たして「通商問題」を無事通過できるのか。またその先にある「為替問題」に触れずに済むのかによって、ドル円も大きく動くことになりそうです。ここ数週間は粘り腰を見せているドル円ですが、下げても106円台割れを回避できるのかどうかという点もポイントの一つです。  本日はレンジ予想も難しい状況ですが、107円を中心に上下50銭程度というところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は日米首脳会談を控えて小動き。経済指標が好調だったことで107円21銭までドルが(イメージ写真提供:123RF)
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2018-04-18 10:00