ジャパンフーズは配当権利落ちで一旦反落したが素早く切り返し、指標面の割安感に見直し余地

  飲料受託生産大手のジャパンフーズ <2599> の株価は、3月期末の配当権利落ちも影響して反落する場面があったが、素早く切り返しの動きを強めている。指標面の割安感に見直し余地が大きく、4月下旬予定の決算発表が接近して期待感が高まる可能性もあるだろう。   伊藤忠商事 <8001> 系で飲料受託生産の国内最大手である。品目別には炭酸飲料と茶系飲料を主力として、コーヒー飲料、果汁飲料、機能性飲料、酒類飲料、ファーストフード店のディスペンサーでサービスされる業務用濃縮飲料(ウーロン茶、アイスコーヒーなど)を製造している。主要得意先はアサヒ飲料、キリンビバレッジ、伊藤園 <2593> などの大手飲料メーカーで、容器別ではペットボトルが主力だ。   中期経営計画「JUMP2015」では、目標数値として15年度にコアビジネス(飲料受託製造事業)の経常利益21億円、新規ビジネス(海外事業、水宅配事業、自社ブランド商品)の経常利益4億円を掲げている。   飲料受託製造事業では、飲料メーカーとの関係強化や魅力ある製品の受託製造数量の増加、市場変化・顧客ニーズへの的確な対応、生産効率の向上とコスト競争力の強化、季節変動への対応として製造体制見直しやコスト削減などを進めている。12年7月に本社工場で世界最新鋭の無菌充填ライン(炭酸・非炭酸兼用)が稼動し、14年3月には既存大型ペットボトルラインも設備更新で無菌充填ライン(炭酸・非炭酸兼用)化している。   新規ビジネスでは、国内で水宅配事業を展開するウォーターネット、中国で飲料受託製造事業を展開する東洋飲料(常熱)有限公司への出資比率を引き上げている。自社ブランド商品に関しては、本社工場がある千葉県産の農林水産物を使用した商品の開発に取り組み、千葉県を中心に販売している。   前期(14年3月期)業績(非連結)見通しは売上高が前々期比5.4%増の350億円、営業利益が同62.4%増の12億10百万円、経常利益が同52.6%増の12億20百万円、純利益が同43.1%増の7億10百万円としている。主力の炭酸飲料や茶系飲料などが好調に推移し、新無菌充填ラインによる増産効果などで大幅増益見込みだ。   第3四半期累計(13年4月~12月)で、受託製造数量は容量・ケース数とも過去最高を記録している。炭酸飲料や茶系飲料の比率が高いということもあり、春~夏の上半期偏重の収益構造で秋~冬の下期は赤字となるが、前期第3四半期(13年10月~12月)の営業利益は、前々期第3四半期(12年10月~12月)に比べて赤字幅が縮小した。季節変動への対応策も奏功して通期ベースで好業績が期待される。   今期(15年3月期)以降についても、受託製造数量の増加、12年7月に稼動した新無菌充填ラインでの習熟度向上による生産性上昇効果、14年3月の既存大型ペットボトルラインの設備更新効果などで増収増益基調だろう。   株価の動きを見ると、概ね1200円~1300円近辺でのボックス展開だが、3月27日に前日比61円(4.80%)安の1212円まで反落する場面があった。配当権利落ち(3月期末配当17円予定)も影響したようだが、終値では前日比29円安の1244円まで戻し、さらに4月1日は終値で1262円まで戻して切り返しの動きを強めている。好業績を再評価する動きだろう。   4月1日の終値1262円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS147円21銭で算出)は8~9倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.1%近辺、そして実績PBR(前々期実績のBPS1409円99銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると概ね1200円~1300円近辺でのボックス展開だが、足元はレンジ下限から反発して13週移動平均線と26週移動平均線を回復した。ボックスレンジ上放れの動きを強めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲料受託生産大手のジャパンフーズ<2599>(東1)の株価は、3月期末の配当権利落ちも影響して反落する場面があったが、素早く切り返しの動きを強めている。
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2014-04-02 15:45