【為替本日の注目点】NY株高で円売り加速、105円台乗せには米金利水準まだ低い

 NY市場  ドル円は米経済指標が市場予想に届かなかったものの、株高、長期金利上昇を材料に103円台後半で推移。東京タイムでのドル高地合いをそのまま引き継いだ格好に。   ユードルは欧州市場の朝方1.3820まで買われたものの、その後はドル高に押され緩やかに下落し1.37台半ばをつける。その後は本日のECB理事会の結果を見極めたいとの雰囲気から小動き。ユーロは対円では一時143円45銭近辺までユーロ高が進む。   株式市場は続伸。ダウは一時昨年末の史上最高値を上回る場面があったが、引け値では40ドル高に留まり更新はならず。S&P500は連日の高値更新。   債券相場は大幅に続落。3月ADP雇用者数が市場予想を下回ったものの、前月分が上方修正されたことからリスクオンがさらに加速。長期金利は1月22日以来となる2.8%台に乗せる。   金は6日振りに反発。原油は小幅ながら3日続落。   3月ADP雇用者数 → 19.1万人   ドル/円 103.58 ~ 103.88  ユーロ/ドル 1.3753 ~ 1.3797  ユーロ/円 142.72 ~ 143.10  NYダウ +40.39 → 16,573.00ドル  GOLD +10.80 → 1,290.80ドル  WTI -0.12 → 99.62ドル  米10年国債 +0.048 → 2.803%  本日の注目イベント  豪   豪2月小売売上   豪   豪2月貿易収支   中   中国 3月非製造業PMI   中   中国 3月HSBCサービス業PMI   欧   ユーロ圏3月製造業PMI(改定値)   欧   ユーロ圏3月サービス業PMI(改定値)   欧   ユーロ圏2月小売売上高   欧   ECB政策金利発表   欧   ドラギ・ECB総裁記者会見   英   英3月サービス業PMI   米   2月貿易収支   米   新規失業保険申請件数   米   3月ISM非製造業景況指数   ドル円は意識された3月の最高値である103円77銭を上抜けし、103円94銭までドル高円安が進みました。しかも昨日は東京タイムでドル高が進み、NYではむしろ小動きで、株高、金利高の割りにはドルが上昇していないとの印象もあります。先週末に101円台半ば~102円台半ばのレンジを上抜けし、さらに3月のドル高値を抜けてきたことで次のターゲットは1月はじめの105円40銭前後ということになります。  今週この欄で何度か触れた「日足」での「好転」は、昨日のドル上昇で示現しています。また「基準線」は、昨日の103円台後半までのドル高を受けて上昇を見せました。さらに「遅行線」もローソク足を上抜けしていますが、104円台への上昇がなかったことで、「雲」の上限で抑えられた格好になっています。ローソク足では全て上抜けしており「青天井」状態です。後は「遅行線」が「雲」を上抜けできるかどうかで、104円台にしっかり乗せてくれば、こちらも完成します。  円売りを加速させているのは「リスクオン」の流れで、それを牽引しているのがNY株式市場だと見られます。ダウは昨日のザラ場では、昨年末の史上最高値である1万6576ドルを上回る場面もありました。引けでは3ドルほど届いていませんが、ほぼ高値引けです。昨年末ダウがこの水準で引けた時のドル円は105円30銭でした。まだ、1円50銭ほど「円高水準」です。  ダウはほぼ最高値に近い水準にもかかわらず、ドル円がいまだに103円台に留まっている最大の理由は米長期金利の水準にあります。ドル円と、株式、あるいは米長期金利との相関関係は良く知られているところです。個人的にはドル円は株価よりも、より金利の影響を受けると考えています。昨年末の米長期金利は3.03%でした。  つまり、米長期金利の水準がまだ低いことでドル円は105円に届いていないと見ることができます。昨日はそれでも米長期金利は上昇し、1月22日以来となる2.8%台乗せを見せています。昨年末に比べ、株価は高値を回復しているのに、金利がそこまで上昇していないということは、10年債が昨年末の水準まで売られていないことになります。米国債は世界で最も「安全な資産」の一つです。市場ではまだ、「安全資産」を持っておきたいというニーズがあるということです。  それは今年に入って起きた様々な現象を見ると理解できます。アルゼンチンペソなど、新興国通貨の急落や、中国景気の不透明さ、あるいは現在もまだ進行中ですがウクライナを巡る問題など、やはりそれなりに「安全資産」へ資金が流れる理由が見つかります。ドル円が105円台に乗せるには、今後も米金利の後押しが必要です。  NY株式市場が堅調だったことから、本日の日経平均株価も上昇が見込まれます。1年間を通して見た場合、「4月は最も株価が上昇する月」であるというデータもあるそうです。株価の上昇を見込んで、どの程度の資金が「安全資産」から「リスク資産」(株式)に流れ込むかが焦点になりそうです。本日のレンジは103円40銭~104円40銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は米経済指標が市場予想に届かなかったものの、株高、長期金利上昇を材料に103円台後半で推移。東京タイムでのドル高地合いをそのまま引き継いだ格好に。 
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2014-04-03 09:30