今週の為替相場見通し(2018年6月18日~)=為替王

 先週は、米朝首脳会談やら、アメリカの金利発表(FOMC)などビッグイベントがあった割には、為替はあまり大きな動きはなく、週末も110円台で比較的安定していました。さて今週および6月後半の見通しについて。4月末以降は、およそ108~111円の範囲で行ったり来たりを繰り返していますが、チャート分析を細かく見ますと・・・    短期的なトレンドの方向性としましては、円安へ向かう可能性を示唆するシグナルが確認されます。どの程度、円安になる可能性があるか分析しますと、短ければ先月の高値付近、すなわち111円台あたり。ですが、この4月末以降の行ったり来たりの、いわゆる保ち合い局面で蓄積された相場エネルギーがすべて上方(円安方向)へ放出されることを想定した場合、やや大きな円安トレンドに発展する可能性が読み取れます。そのエネルギーを客観的に計測して、最大限強気のスタンスで見た場合、1ドル=113円台~114円台が浮上します。今年これまで円高になったり重たい雰囲気に私たち投資家はだいぶ慣れてしまっていますので、そんなに円安になるシナリオは、にわかには同調にしくいかもしれませんが、客観的な分析においては、現状、方向性は円安方向。短ければ111円台止まり、最大で年初来高値(113円~114円台)もあり得るのでは。といった状況です。    米ドル円が上昇気味、すなわち「米ドル高」が生じている裏で、他の通貨は全体的に、だらしなく下落しています。豪ドル円は、今月の高値1豪ドル=84円台から先週末は82円台へ下がってきました。現状、今年3月からずっと続いている保ち合い(約80~84円)の範囲内で、特に問題ありません。以前から申し上げていますが、注視すべきは今年の安値圏の80~81円あたりの水準。その水準より上で行ったり来たりしている分には、特に問題ないのですが、もしもこの先、その重要水準(80~81円)を割り込むようなことが起きますと、やや大きな豪ドル安局面に入る可能性が高まります。まだ全然大丈夫なのに、これを言うのは気が早いですが、万が一、その重要水準を割り込むような展開になった場合、最大76~75円あたりへと調整(豪ドル安)が進む可能性が高まると考えられます。    トルコリラ円について。現在のトルコ大統領は、昔は経済政策でも手腕を発揮したのですが、最近は、独善的、強権的な間違った手法が目につくようになり、そのためトルコ経済も伸び悩んでいます。決して、そこまで悪くないのですが、最近のアメリカ利上げ&米ドルへの回帰の大きな流れもあって、トルコから投資マネーを引き揚げる動きにつながっています。注目はもう1週間後に迫った、トルコ大統領選挙。リラが大幅反発に向かうシナリオも考えられますが、一応、最悪の展開も想定しておきましょう。チャート分析の観点では、この23円台が重要で、先月の急落時も終値ベースでは23円を死守しました。このゾーンから完全に下方に崩れますと、あくまでも最悪のシナリオですが、1リラ=21円台も浮上します。    日経平均株価については先週も書きましたが、チャート上は2万2千円台後半(特に2万2800円~2万3000円あたり)が非常に重要。この重要ゾーンを突破できれば、年初来高値、すなわち2万3千円台後半~2万4千円近くへ伸びることが期待されます。しかし一方で、この重要ゾーンを突破できずにもたもたする展開が長期化しますと、いわゆる「攻め疲れ」と表現されるように、売りを待っていた人が我慢できずに売り始めるとか、突破することを期待して買っていた人があきらめて売りに回るなどして、ずるずる反落に向かうことも想定されます。上記2つの正反対のシナリオを想定して、両にらみで挑みたいです。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
先週は、米朝首脳会談やら、アメリカの金利発表(FOMC)などビッグイベントがあった割には、為替はあまり大きな動きはなく、週末も110円台で比較的安定していました。さて今週および6月後半の見通しについて。(イメージ写真提供:123RF)
economic
2018-06-18 09:15