【為替本日の注目点】ドル円110円台小動き

 ドル円は110円台半ばを中心に小動き。値幅も21銭程度で良好な米景気と米中貿易問題の綱引きが続く。引け値は110円55銭近辺と前日と変わらず。ユーロドルも1.16を挟んでもみ合い。移民問題でメルケル政権が苦境に立たされていることで上値も重かった。株式市場は続落。米中貿易問題が重石となりダウは6日続落し、2万5000ドルの大台を割り込む。ナスダック指数は堅調に推移しほぼ変わらず。債券相場もやや買いが優勢だったものの、ほぼ変わらず。長期金利は2.91%台に。金と原油は小幅に反発。原油価格はOPEC総会を控え買い戻しが入り79セント高。 6月NAHB住宅市場指数   →  68 ドル/円110.38 ~ 110.59 ユーロ/ドル1.1596 ~ 1.1624 ユーロ/円  128.06 ~ 128.50 NYダウ  -103.01  → 24,987.47ドル GOLD +1.60 →1,280.10ドル  WTI  +0.79   → 65.85ドル   米10年国債  -0.004  → 2.917% 本日の注目イベント 豪  RBA議事録 米  5月住宅着工件数 米  5月建設許可件数  米中貿易問題を巡り、報復的な関税引き上げがエスカレートしてきたことで、ドルの上値が重くなり、ドル円は昨日の東京時間午前中に110円30銭前後までドル安が進みました。それでも、この水準を底値にドルは反発しましたが、上値の重さは変わらず、動きも緩慢です。最近のドル円の特徴とも言えますが、上昇しても下落しても勢いはなく、直ぐに反転してしまいます。  昨日のNY市場でも値幅は僅か21銭程度と、動きはありません。ここ1週間の値動きでも、ほぼ110円台で推移しています。一方、米株式市場ではNYダウが昨日も103ドル下落し、これで値幅は少ないものの、6営業日連続で下げています。この下落が何を意味するのか・・・・。米中の貿易を巡る緊張がさらに高まる可能性があることを示唆していると受け取ることができます。米国側の姿勢は相変わらず強気ですが、中国側の対応がこれまでと異なり強硬な姿勢に変わってきた印象です。米国は中国に対して500億ドル(約5兆5300億円)相当の中国製品に対する関税引き上げを発表しましたが、実際に7月6日から発動されるのは340億ドルです。  これに対して中国はすぐさま同規模の関税引き上げを発表し、その中身もトランプ大統領への政治的打撃となりそうな製品に対する関税で報復しています。(ブルームバーグ)トランプ大統領はこれに対してもさらなる関税引き上げを検討していると伝えられており、もしその様な事態になれば、再び中国側の報復も注目され、「貿易戦争」が現実味を帯びることになります。  先週のビッグイベントを通過したことで、今週は材料不足の感は否めませんが、ドル円は明確な方向感もなく動きにくい展開が予想されます。良好な米景気がドルを支える一方、上述のように米国の保護貿易といった「トランプリスク」がドルの上値を抑える構図です。本日の予想レンジは109円80銭~110円80銭程度と、昨日と変わりません。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は110円台半ばを中心に小動き。値幅も21銭程度で良好な米景気と米中貿易問題の綱引きが続く。引け値は110円55銭近辺と前日と変わらず。ユーロドルも(イメージ写真提供:123RF)
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2018-06-19 09:15