ブラジル、9回連続利上げでレアル年初来高値=為替王

 ブラジルレアル(BRL)がこのところ元気よく上昇しています。昨年は急落する場面もあり不安定でしたが、今年は比較的堅調。背景として、ブラジルが9回連続利上げを実施しています。 ■ブラジルの金利  ブラジルはリーマンショック後の回復が早く、2010年から2011年にかけて大幅な利上げを実施。当時まだ先進諸国の経済は低迷していたため、ブラジルが注目されて、日本でもレアル建ての投資信託などが人気になりました。ただあまりに資金が流入してレアルが上昇したためブラジル経済(特に輸出)に悪影響が出始めました。2011年後半以降、ブラジル当局は通貨安などを狙ってリーマンショック後を上回るほどの大幅な利下げを実施。2013年頃からは逆に大幅な利下げが通貨急落や物価上昇などの弊害をもたらし、慌てたブラジル当局は利上げに方針転換。この1年に開催された9会合連続で金利を引き上げ。1年前に7.25%だったブラジルの政策金利は11%になりました。 ■ブラジルの為替  昨年は1レアル=51円から39円へ暴落するなど、大荒れだったレアル円の為替相場。米国の量的緩和解除の思惑により、世界的に新興国から米国へ資金還流が強まる場面もありましたが、ブラジル当局の連続利上げなどを背景に、今年のレアル円相場は堅調です。直近も年初来高値を更新して1レアル=45円台です。レアル建ての投資信託を高値で買ってしまって含み損を抱えていたケースも、だいぶ含み損が解消されているのではないかと思います。今後の見通しとしましては、さすがにそろそろ利上げは打ち止めではないかと見られます。(執筆者:為替王)
ブラジルレアル(BRL)がこのところ元気よく上昇しています。昨年は急落する場面もあり不安定でしたが、今年は比較的堅調。背景として、ブラジルが9回連続利上げを実施しています。
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2014-04-04 10:45