パナソニックの「大気汚染手当」、中国人は対象外に「当然」の声=中国版ツイッター

パナソニックが2014年春季労使交渉における合意のひとつとして、中国駐在員に対する生活環境差手当の増額を発表したことについて、中国では「中国駐在員への大気汚染手当」であると報じられた。
同手当の支給対象はあくまでも日本人従業員であり、中国人従業員には支給されないとされ、中国メディアの中国経済網は3日、「同じ環境で働いているにもかかわらず、中国人従業員に手当を支給しないのは差別の疑いがあるとの声がある」と報じた。
中国で健康被害を招くと懸念されているPM2.5とは、直径が人の髪の毛の太さの約30分の1程度の微粒子で、肺の奥、さらには血管まで侵入し、ぜんそく・気管支炎、肺がんや心臓疾患などを発症・悪化させ、死亡リスクも増加させると言われる。
パナソニックが中国駐在員に対して手当を支給することは、果たして中国経済網が報じたように「差別」に値するのだろうか。中国の簡易投稿サイト・微博でこのほど、“中国人従業員も手当を受け取る権利はあるが、請求先はパナソニックではなく中国政府だ”と主張する弁護士が登場した。
微博で主張を展開したのは重慶市の弁護士で、「日本企業が日本人従業員に手当を支給するのは当然だが、中国人従業員も汚染手当を受け取る権利はある。ただ、わが国の汚染はパナソニックがもたらしたわけではないので、中国人従業員は中国政府や環保部門に請求すべきで、パナソニックに請求すべきではない。これはカネの問題ではない。道理の問題だ」と主張した。
弁護士の見解に対して、ほかのネットユーザーからは、「主張は理にかなっている」との意見が多く寄せられ、「汚染は中国の役人どもがもたらしたものだ」など、中国政府を批判するコメントが寄せられた。
しかし、汚染を日本企業の責任にしたいのか、日本を批判するユーザーも少数ながら存在し、「街を走る日本車に責任はないとでもいうのか?」、「政府は金を出して環境改善をし、企業から環境保護税を取ればいい。特に日本企業からは多めに取るべき」との主張があったが、理にかなっていない主張と言えよう。
「日本人従業員だけに手当を支給するのは不公平だ」との意見は少なからず存在したが、全体的には「中国政府に責任がある」との意見が多く、自国の環境汚染と企業の手当支給に対する「道理」を理性的に見ている中国人が多いのが印象的であった。(編集担当:畠山栄)(写真は「CNSPHOTO」提供)
パナソニックが2014年春季労使交渉における合意のひとつとして、中国駐在員に対する生活環境差手当の増額を発表したことについて、中国では「中国駐在員への大気汚染手当」であると報じられた。(写真は「CNSPHOTO」提供)
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2014-04-04 13:30