今週の為替相場見通し(2018年8月13日~)=為替王

8月の為替は月初1ドル=112円がピークで緩やかに下落(円高)。先週末は111円を少し割れたところです。短期的なチャート分析においては、下落(円高)を示唆するシグナルが点灯しています。といっても従来から申し上げておりますように、この8月の円高圧力はさほど大きなものではありません。具体的な円高メドは110円を割れて109円台突入。円高が加速してもせいぜい108円台までではないかと思われます。逆に、円安に戻ろうとする動きは、まず111円台前半あたりで強力に上値を押さえつけられやすいです。その先の112円手前の水準にも上値抑制帯があるため、複数の円安要因が出現しないことには、この夏はなかなか継続的な円安は期待しにくいのではないかと思われます。
大暴落したトルコリラについて。週末ブログで緊急解説記事を掲載させていただきましたように、チャート分析において出ていた最大下落メドは1リラ=18円台。先週の週末終値は17円台(先週金曜は一時16円台も記録)。行き過ぎ、下げ過ぎという見方をせざるを得ません。しかしながら、問題はトルコの経済状況ではなくて、トルコの政治。リラ急落に対して、有効な経済政策を打つか、せめて、あらゆる政策を打つ用意があると言えばよいものを、トルコの大統領は「我々には神がついている」とか「国民みんなでリラを買い支えよう」とか、投資家をドン引きさせる発言を連発しており、これが過度なリラ売りに拍車をかけています。今週も荒れた状況が続くと思われますが、現状、明らかに売られ過ぎであり、トルコ政府がいつ正気を取り戻すかにもよりますが、いずれ今回の最大下落メド18円台や、その先の20円台へ回復する場面が来るだろうと見ています。
トルコリラ暴落の影響は欧州に波及。ユーロ円が先週末1ユーロ=126円台まで急落しました。もともとユーロ円については下落メドは「128円~127円」あたりを予想してきました。先週末は127円を割れてしまって、やや行き過ぎている状況ですので、これも、チャート分析の観点ではあまり売り圧力は残っておらず、いずれ127円以上へと反発することになる可能性が高いと考えられます。
豪ドル円については完全に想定内。「この夏、注目すべきは82円近辺の水準」と言い続けてきて、先週金曜日の朝、その注目水準をわずかながらも下回ったことを受けてブログで「80円台を目指す可能性が高い」と申し上げました。その日のうちに、あっという前に、80円台まで下がってきました。これも現状、新たな売り圧力が出てきたわけではないので、今週以降も、従来通り、80円が下落メドとして作用しやすいと見られます。ただ先月中旬以降の相場エネルギーがまだ残っているので、それらが完全に放出されますと、今年初めてとなる80円割れ、1豪ドル=79円台に突入する可能性もあるかなといった状況です。
私たちが今年、本当にいい思いをさせてもらっているメキシコペソ相場。6月安値(約5.27円)から今月高値(約6.04円)まで、たった2カ月以内に15%近くも大暴騰しました。さすがに暴騰しすぎで、先週はブログで次のように指摘。「さすがにテクニカル指標ではもうすでにやや過熱状態に入っており、去年暮れもそうだったように、この6円を超えたあたりの水準(6.0~6.1円)は上値が重たくなりやすいのではないかと見ています」。めったに起きない大暴騰が終わり、先週末は5.8円台まで反落し、ようやく過熱状態が少し解消されました。今回の大暴騰中に、メキシコペソを一旦売って利益確定された読者の方もたくさんおられますが、これから下落する局面では充分に引きつけて、押し目を拾っていきたいところではないかと思います。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
8月の為替は月初1ドル=112円がピークで緩やかに下落(円高)。先週末は111円を少し割れたところです。短期的なチャート分析においては、下落(円高)を示唆するシグナルが点灯しています。(イメージ写真提供:123RF)
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2018-08-13 08:45