うかいは配当落ちで反落だが、好業績評価して反発のタイミング

  高級料理店うかい <7621> (JQS)の株価は、3月期末配当権利落ちも影響して3月の戻り高値から急反落したが、足元では売り一巡感を強めている。好業績を評価する流れに変化はなく反発のタイミングだろう。   飲食事業(高級和食・洋食店)を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。新たな成長ステージに向けた戦略として、サービス向上のための人材育成、製菓工房「アトリエうかい」の多面展開、和食店のお土産品強化、新業態の出店、海外企業との業務提携などを推進している。   4月14日には新業態の割烹料理店「銀座kappou ukai(呼称:割烹うかい)」がグランドオープンする。また海外については、13年5月に台湾・高雄市FIHリージェントグループホテル内レストランのコンサルティング契約を締結して、海外初出店の準備を進めている。   前期(14年3月期)業績(非連結)見通しは売上高が前々期比2.4%増の119億64百万円、営業利益が同23.5%増の4億69百万円、経常利益が同70.6%増の3億63百万円、純利益が同85.2%増の3億17百万円としている。圏央道尾山IC開通で商圏が広がったことや、客単価が上昇傾向を強めていることなどが寄与する。人件費増加や「銀座kappou ukai」出店費用の発生などを考慮して保守的な見通しとしているが、第3四半期累計(4月~12月)で営業利益と経常利益は通期見通し超過達成している。通期上振れの可能性があるだろう。   月次売上高(前年比、全店・既存店とも同じ)を見ると、14年2月は2週連続で週末に関東を襲った大雪の影響で90.1%となり、台風の影響を受けた13年10月(99.4%)以来のマイナスに転じた。しかしいずれも天候不順による一時的要因だ。14年2月の客単価は110.7%となり、13年3月から12カ月連続で前年比プラス圏を維持している。   「うかい」ブランドの認知度向上や商圏拡大を背景とする好調な流れに変化はなく、高額消費の活発化で客単価上昇も収益拡大に寄与する。13年12月に「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコの世界無形文化遺産に登録決定したことも支援材料であり、収益は拡大基調だろう。   なお2月26日に発表した第三者割当による自己株式処分については、3月14日に払込手続きが完了したと発表している。割当先は京王電鉄 <9008> 30万株、キッコーマン <2801> 25万株である。京王電鉄とは世界的な観光スポットである高尾山の活性化に向けて、キッコーマンとは日本の食文化の海外展開におけるパートナーとして、今後の連携を強化する方針だ。   株価の動きを見ると、3月中旬~下旬は戻り高値圏2400円近辺で推移したが、3月27日に2060円まで急反落する場面があった。3月期末の配当権利落ちが影響し、消費増税の影響が懸念されている可能性もありそうだが、足元では売り一巡感を強めている。   4月4日の終値2090円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS67円60銭で算出)は31倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は0.6%近辺、実績PBR(前々期実績のBPS809円98銭で算出)は2.6倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が9~10%程度に拡大して売られ過ぎ感を強めている。また週足チャートで見ると26週移動平均線が接近している。反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
高級料理店うかい<7621>(JQS)の株価は、3月期末配当権利落ちも影響して3月の戻り高値から急反落したが、足元では売り一巡感を強めている。好業績を評価する流れに変化はなく反発のタイミングだろう。
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2014-04-07 09:30