今週の為替相場見通し(2014年4月7日-)=為替王

 米ドル円相場は2014年の第1四半期(1~3月)は1ドル=100円~105円台の狭い値幅(上下5円以内)で推移しました。このような狭い範囲での推移がずっと続くことはありませんので、次の四半期(4~6月)は、これまでの狭い範囲を突き抜けるような大きめの値動きを想定してよいのではないかと思います。問題はどちらに動くかですが、現状、チャート分析を客観的に見る限り、方向性は上向き。今年2月以降の相場局面を大きくとらえて、狭い範囲で推移しながら蓄積されていた相場エネルギーがすべて上方に放たれると仮定するならば、108円を超えるような大きな上昇トレンドへ発展することも考えられます。ただ季節的なアノマリー(論理的に説明しにくい経験則)の観点では、4月に新年度の期待感などから軽いトップを形成した後に下落トレンド入りしたことが過去に何度もあり、そのことが少し気になります。先週末も少し反落しましたが、当面の下値目処は102円台後半、その先は102円近辺や、101円台前半の水準などが重要度の高いサポート帯と考えられます。現在の水準からやや距離が離れているため緊張感も出にくいかと思いますが、中期的にはそれらの水準も意識しておきたいです。  米ドル円でいまいち強気になりきれない背景として、他の通貨も全体的に(すでに短期的な上昇ターゲットに到達したこともあって)、やや重たい雰囲気です。ユーロについてはユーロドルが先週とりあえず目先の下落ターゲット1.36台後半の水準まで落ちてきました。ひとまず短期下落トレンドが完成した形になっていますが、現状まだ下方へさらに崩れるリスクも抱えた状態と判断します。ユーロ円単独で見た場合も、3月下旬以降の一時的な上昇の勢いが終息してしぼんだ形になっています。長期的には今年は三角持合いを形成中と見ることもでき、そうなりますと、今月もしも下方に崩れた場合は、(まだ崩れていないのにこれを言うのは早いのですが)、年初来安値を更新するほどの大きな動きに発展するリスクもあるのではないかと見ています。  今週のイベントとして、日銀の金融政策会合が予定されています(8日火曜日)。ちょうど1年前、アベノミクスの柱のひとつである大規模な金融緩和策が発表されて、ドル円は3日で92円台→99円台へと約7円も吹き上がり、日経平均は3日以内に1千円超も急騰しました。1年前の印象が強烈だっただけに、今回も日銀の追加的な政策を期待する向きもあり、一時的に相場が乱高下するかもしれません。ただ実質的には大きな政策変更はなく、現行の政策を追認するくらいだと思います。(執筆者:為替王)
米ドル円相場は2014年の第1四半期(1~3月)は1ドル=100円~105円台の狭い値幅(上下5円以内)で推移しました。このような狭い範囲での推移がずっと続くことはありませんので、次の四半期(4~6月)は、これまでの狭い範囲を突き抜けるような大きめの値動きを想定してよいのではないかと思います。
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2014-04-07 09:30