今週の為替相場見通し(2018年9月17日~)=為替王

為替が終値ベースでは7月以来、約2カ月ぶりの1ドル=112円を回復! このところ111円前後の(110円台~111円台での)とても狭い範囲で下がったり上がったりを繰り返すレンジ相場が続いていました。先々週はレンジの下限(110円台)に接近して下抜ける懸念もありましたが、すぐに反発。一転して先週は上限に迫り、上限をブレイクしたと判断されるチャート分析上のシグナル、すなわち円安シグナルが点灯。週末は順調に112円を回復するなど少し円安が進みました。
さて今週以降、9月後半の見通しについて。短期チャート分析において複数の円安シグナルが点灯していることから、素直に、円安トレンドが継続すると予想したいです。具体的にどのあたりまで円安が進むか? これまでのレンジ相場において、相場エネルギーがそれなりに蓄積されています。先月下旬以降の111円前後の小さなレンジ相場に限っただけでも、少なくとも1ドル=113円~114円という円安ターゲットが算出されます。これはすなわち、今年の高値(113円台)に接近するだけでなく、年初来高値を更新する可能性も考えられます。さらに言えば、大きな視野で見れば、7月下旬以降、ざっと110円~112円の範囲で保ち合いが形成されており、その間に蓄積された相場エネルギーがすべて円安方向に噴出されるならば、ずばり115円以上、最大で117円近くへと円安が加速するシナリオも否定できません。
もし、円安方向のトレーディングで勝負するならば、ロスカットを設定すべき水準としては、111円台前半。そこにテクニカル分析上の下支えポイントがあるのですが、もっとゆったりとりたい(損失を許容できる)ならば、最大110円台後半のサポート帯までは耐えるという戦術も考えられるかなと思います。
トルコリラ相場について。悪い大統領の意向に逆らって、トルコ中央銀行は大幅に利上げをするという正しい決定を下しました。(※金利24%というのは、異常だと思う方もおられるかもしれませんが、物価高による経済混乱を避けるには、理論上、正しい政策です)。トルコ中銀行が正しい政策をとったことに世界の投資家は安心して、トルコリラは先週は1リラ=18円台まで反発しました。チャート分析において、本当に重要なのはここからです。以前から申し上げておりますように、先月15円台、そして、今月16円台で底打ちして「二番底」の形になっている点は、私が想定してきたベストな反発シナリオが実現していますが、この18円台の壁が厚いです。この18円台の壁を超えることができれば、この夏のトルコリラの暴落局面から脱出したと判断でき、その場合、最低でも20円以上の水準へと反発が続く可能性が高まります。しばらく上限18円台の壁で押さえつけられるなどの攻防が続くかもしれません。いずれ壁を突破することを期待したいです。
株価も世界的に堅調です。NYダウ株価については、先月から何度か申し上げましたように、この夏の上昇トレンドの最大のメドは2万6300ドル台。先週末の終値2万6154ドルですので、あともう一息伸びる余地はあるのではないかと見ています。(執筆者:為替王)(イメージ写真提供:123RF)
為替が終値ベースでは7月以来、約2カ月ぶりの1ドル=112円を回復! (イメージ写真提供:123RF)
economic
2018-09-17 11:00