サイバダインは4連騰後にもみ合い、ロボットスーツの成長可能性を再評価し直近IPO株人気根強い

  CYBERDYNE <7779> (東マ)は、290円高の8070円と4営業日続伸して始まったあと、230円安と下ぶれるなど前週末4日終値を挟みもみ合いを続けている。ただ、今年4月2日につけた上場来安値6740円からの底上げは鮮明化している。同社の積極的なIR(投資家広報)を受け、同社主力製品のロボットスーツ「HAL」の成長可能性が、再評価されて直近IPO(新規株式公開)株が、下値で根強く続いており、新年度入りで同社既存株主のベンチャーキャピタルの期末換金売りが一巡したことも、フォローの材料視されている。 ■世界規格策定のルールメーカーとして最先端に位置   同社は、今年3月26日に公開価格3700円でIPOされ、今年最有望のIPO株との下馬評が高く、公開価格比2.3倍の8500円で初値をつけ、同日に初値比ストップ高となる1万10円まで買い上げられ上場来高値をつけた。ただ上場2日目は、ストップ安の8100円と売られるなど値動きの荒い展開が続き、上場来安値まで調整した。   この株価推移は、同社の既存株主にベンチャーキャピタルが多数、名を連ね、売却を制限するロックアップ条項はついているものの、この制限が公開価格比50%高で解除される決まりとなっていることから、3月期期末にかけ換金売りが増勢となったためと推定されている。新年度入りとともにこの売りも一巡、同社の成長性を評価するセカンダリー・ステージ入りとなり買い再燃となってきた。   「HAL」は、人間の意思を反映して生体電位信号が変化するiBF(インタラクティブバイオフィードバック)仮説を基本に、「随意的制御システム」と「自立的制御システム」の2つの制御システムを組み込み、装着者の意思に基づき適切なアシストや動作支援により自立するための機能改善の促進や動作補助を実現する介護用のロボットスーツである。その評価は内外で高まり、昨年2月に世界で初めて生活支援ロボットのISO/DIS認証を取得し、世界最高峰のドイツの認証機関から欧州医療機器CEマーキングを取得し、昨年8月にドイツの公的労災保険の適用対象に決定された。また、ISO(国際標準化機構)内にメディカル・ロボットの委員会が設置され世界規格の策定が進められているが、ここでも同社は、エキスパートメンバーとしてルールメーカーとして活躍している。   産業的にも「HAL」の主要対象疾患患者数は、パーキンソン病、多発性硬化症、脊髄損傷、脳卒中など多岐にわたって世界的に大規模にのぼり、このOECD諸国の医療市場は、5兆6000億ドルに達すると推測されている。世界で最も高齢化が進んでいる日本でも、健康長寿社会の実現に向けて社会的ニーズが、一段と高まることになる。目下集計中の前1014年3月期業績は、2004年6月に筑波大学発のベンチャービジネスとして設立されただけに、売り上げは4億6900万円(前期単独実績2億8600万円)にととどまり、経常利益は6億4600万円の赤字(同5億6500万円の赤字)、純利益は6億5900万円の赤字(同5億7300万円の赤字)と水面下の推移が続いたもようだが、中期的な業績成長への期待も高い。 ■最高値からの調整幅の3分の1戻しからまず半値戻しを射程   株価は、上場来高値から同安値まで3200円幅の調整となり、調整幅の3分の1戻し水準をクリアした。戻り売りを吸収しつつまず半値戻しの8375円を達成し、全値戻しとリバウンド幅を拡大しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
CYBERDYNE<7779>(東マ)は、290円高の8070円と4営業日続伸して始まったあと、230円安と下ぶれるなど前週末4日終値を挟みもみ合いを続けている。
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2014-04-07 10:15