レアアース輸出規制の協定違反に、「WTOを脱退すべきか否か」・・・意見分かれる=中国版ツイッター

 世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は3月26日、中国によるレアアース(希土類)の輸出規制は不当として日本、米国、欧州連合(EU)が共同で提訴した通商紛争について報告を発表し、中国のレアアースに対する輸出規制はWTO協定に違反していると判断した。  経済産業省によれば、パネル報告書は「日本の主張を全面的に認め、中国にWTO協定に従って措置を是正するよう勧告した」とのことだが、中国の敗訴を受けて、「わが国はWTOから脱退すべきではないか」と主張する中国メディアも現れた。  WTOからの脱退を検討すべきと論じた新浪財経の一周美股は、中国は今回のレアアース問題で敗訴しただけでなく、2001年に中国がWTOに加盟して以降の13年間で何度も敗訴していることに言及し、「WTO加入による利害を今一度はかりにかけるべきだ」と主張した。  中国の簡易投稿サイト微博で同主張が伝えられると、中国人ネットユーザーからは、WTO脱退に賛否両論が寄せられた。  賛成の意見としては「WTOのルールは西側諸国が決めたものだから、われわれに有利なわけがない。だったら脱退するか、WTOよりも上位のルールを作ることで、世界貿易におけるわが国の地位を守れば良い」などのコメントがあった。既存のルールを守ることができないからといって、脱退を主張するなど極めて稚拙な道理ではないだろうか。  微博のコメントを見る限りでは、中国人ネットユーザーの総意としてはむしろ脱退には反対という意見のほうが多く、「WTOは多くの国が参加している組織だ。反省すべきはわれわれがルールを理解できていたのかどうかということで、脱退を考えるべきではない」と報道を諌めるコメントがあった。  例えを用いて主張を展開するユーザーもいて、「サッカーのルールは中国人が作ったものではないが、中国代表が弱いことをルールのせいにする人はいない。FIFAからの脱退を考える人もいないだろう。これではサッカー中国代表にも劣るぞ」とのコメントがあったが、非常に上手な例えと言えるだろう。(編集担当:畠山栄)(イメージ写真提供:123RF)
世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は3月26日、中国によるレアアース(希土類)の輸出規制は不当として日本、米国、欧州連合(EU)が共同で提訴した通商紛争について報告を発表し、中国のレアアースに対する輸出規制はWTO協定に違反していると判断した。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-04-07 14:45