AOI Pro.は反発のタイミング、広告市場拡大が追い風

  テレビCM制作大手のAOI Pro. <9607> の株価は1月の戻り高値から反落して調整局面だが、下値は切り上げて13年6月安値を直近ボトムとする中期上昇チャネルを維持しているようだ。広告市場拡大が追い風であり、短期調整が一巡して反発のタイミングだろう。   12年7月に葵プロモーションから社名変更した。テレビCM制作を主力として、広告制作事業(テレビCMやWeb動画広告の制作およびイベントの運営など広告に関わる制作事業)、写真スタジオ事業(子会社ホリーホックのコンシューマ向け写真館運営および全国の写真館に対する販売促進支援事業)、メディア関連事業(子会社パーゴルフのゴルフに関わる出版「週刊パーゴルフ」・広告・オンライン事業)を展開している。   映像の企画から制作まで自社で対応できるノウハウとリソースを保有し、顧客(広告主)ニーズに合わせた広告制作にワンストップで対応できることが強みだ。CM作品以外の映像作品として映画やミュージックビデオなどのエンタテインメント映像制作も強化している。海外はインドネシア、タイ、中国、英国に進出している。   中期経営計画(13年3月期~15年3月期)では、デジタル部門の再編・強化、アジアを中心とするグローバル展開、そして人材の強化により、既存ビジネスとの相乗効果で高成長を目指すとしている。   前期(14年3月期)の連結業績見通し(5月15日公表)は売上高が前々期比3.6%増の265億円、営業利益が同37.5%増の19億円、経常利益が同33.8%増の18億50百万円、純利益が同2.4倍の7億50百万円としている。自動車関連を中心にテレビCM制作の受注が好調に推移し、制作管理体制の強化による制作原価率の低下、前々期に計上した一時的な先行費用の一巡なども寄与して大幅増益見込みだ。純利益は前々期に計上した減損損失の一巡も寄与する。   前期は第3四半期累計(4月~12月)の進捗率がやや低水準だったため注意が必要だが、今期(15年3月期)はテレビCM制作の受注好調に加えて、創業費用や先行投資の負担などで赤字だった写真スタジオ事業とメディア関連事業の営業損益改善も期待される。   株価の動きを見ると、全般地合い悪化の影響などで1月の戻り高値712円から反落して2月4日の621円まで急反落した。その後一旦は680円近辺まで戻す場面があったが、足元は630円~660円近辺で推移している。調整局面のようだ。ただし2月安値水準まで下押す動きは見られず、調整一巡感も強めている。   4月7日の終値644円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS62円99銭で算出)は10~11倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間23円で算出)は3.6%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS809円07銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、52週移動平均線近辺で下げ渋り感を強めている。また徐々に下値を切り上げる形であり、13年6月の安値542円を直近ボトムとして中期上昇チャネルを維持しているようだ。短期調整が一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
テレビCM制作大手のAOI Pro.<9607>(東1)の株価は1月の戻り高値から反落して調整局面だが、下値は切り上げて13年6月安値を直近ボトムとする中期上昇チャネルを維持しているようだ。
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2014-04-08 07:30