【為替本日の注目点】NY株連日大幅安でドル下落、何かを暗示か弱気な見方が高水準

 NY市場  NY株式市場が先週末に引き続き大幅な下げを見せたことで、ドル円は上値の重い展開が続く。一時103円台割れを試したものの、勢いはなく、103円台前半でもみ合う。   ユーロドルは反発。ECBのメルシュ理事がユーロ圏は差し迫ったデフレリスクはないと発言したことを手がかりに1.3750近辺まで買い戻しが進む。   株式市場は連日の大幅安。先週末のセンチメントを引き継いだことや、ウクライナでの大規模なデモを嫌気したなど真相は不明だが、ハイテク株が先導する形で下落。ダウは166ドル安で引け、2日間で325ドルを超える下げとなった。   債券相場上昇し、1週間振りに長期金利が2.7%近辺まで低下。   金、原油はともに反落。   2月消費者信用残高 → 164.9億ドル   ドル/円 103.01~ 103.27  ユーロ/ドル 1.3721 ~ 1.3748  ユーロ/円 141.53 ~ 141.88  NYダウ -166.84 → 16,245.87ドル  GOLD -5.20 → 1,298.30ドル  WTI -0.70 → 100.44ドル  米10年国債 -0.019 → 2.701%  本日の注目イベント  日   日銀金融政策決定会合   日   黒田・日銀総裁記者会見   日   2月国際収支   日   3月景気ウォッチャー調査   英   英2月鉱工業生産   米   IMF、世界経済見通し発表   米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演   米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演   加   カナダ3月住宅着工件数   NY株式市場が再び波乱要因となり、ドル円は上値が重い展開になりつつあります。昨日もこの欄で、「突っ込み売りには注意が必要」とのコメントを書きましたが、ドル円は株価の大幅下落の割には103円を維持し、先週末のNYクローズと著変はありません。むしろ健闘しているとの印象さえあります。ただ、NY株式市場の2日間で325ドルを超える下げは、「単なる利益確定の売り」と、捉えていいのか判断に迷うところです。今後起こりうる何かを暗示しているのかもしれません。  ブルームバーグによると、ナスダック100指数の先週末の下げを受け、オプション取引が示す弱気な見方が4年前の急落時以来の高水準になっているようです。同指数に連動する上場投資信託(ETF)のプットオプション(売る権利)の取引量は4日に100万枚を超え、これは数分間で8620億ドル(約87兆円)の時価総額が吹き飛んだ取引日の翌日である、2010年5月7日以来の高水準であると伝えています。  2010年5月にはNYダウは1日で約1000ドル急落し、ドル円は5円以上、ユーロ円は10円ほど下落したことを鮮明に記憶しています。ダウ1000ドル下落の原因は高速取引だったとか、発注ミスといったうわさがありましたが、真相は不明でした。ダウが大幅に下落すれば「リスクオフ」から円が主要通貨に対して買われ、「円全面高」になる傾向があります。足許ではそのような状況には至っていませんが、今後もNY株式市場の動向からは目が離せません。  ドル円は103円近辺でほぼ下落は止められている状況です。ここには「日足」の「雲」の上限があり、これが意識されているものと思われます。また「雲」の中には、「52日線」と「120日線」が位置しており、103円を割り込んでも102円台半ばから下値では一旦支持されそうな形になっています。  ただし、注意が必要なのは「先行スパン」が形成する「雲」です。既に「ねじれ」を見せており、先行きドルが下落する可能性もあることを示唆しています。日米の株価が調整局面入りし、注目される日銀による追加緩和期待が後退する状況になると、ドルの下落に勢いが付く可能性があることも、頭の片隅に入れておきたいと思います。  本日は午後3時半から黒田日銀総裁の記者会見が行われます。「追加緩和」に関して、否定的な発言をするのか、あるいは景気次第では「ちゅうちょなく行動する」という文言が聞かれるのかが焦点です。なお今回から記者会見の模様はインターネット等で放映されることになっています。レンジは102円50銭~103円50銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
NY株式市場が先週末に引き続き大幅な下げを見せたことで、ドル円は上値の重い展開が続く。一時103円台割れを試したものの、勢いはなく、103円台前半でもみ合う。 
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2014-04-08 09:15