第10回「コンプライアンス違反倒産」の動向調査=帝国データバンク

 コンプライアンス違反企業の倒産、2013年度、過去最多の209件  ~「粉飾」発覚は52件~  はじめに  過去の粉飾決算が明るみに出る事例が後を絶たない。直近でも、学習塾「TOMAS(トーマス)」を経営する株式会社リソー教育(東証1部上場)が不適切な売上計上を行っていたことが発覚し、代表取締役他が辞任する事態が発生した。こうした不正は、課徴金納付や第三者委員会の調査費用など多額の金銭的影響がある以上に、投資家や消費者、取引先へ与える影響が深刻である。財務基盤が脆弱な企業や、著しい顧客離れが発生した企業については、そのコンプライアンス違反を引き金として倒産することもあり得る。  帝国データバンクでは、「粉飾決算」や「脱税」などのコンプライアンス違反が取材により判明した企業倒産を「コンプライアンス違反倒産」と定義。「コンプライアンス違反倒産」は、2005年4月から集計を開始しており、今回は2013年度(2013年4月~2014年3月)までの倒産(負債1億円以上、法的整理のみ)について分析した。  なお、前回調査は2013年5月28日。  ・注1:「コンプライアンス違反」は、意図的な法令違反や社会規範・倫理に反する行為などを指し、不慮の事故などは含まない  ・注2:同一企業に複数のコンプライアンス違反がある場合は、主な違反行為で分類  調査結果  1.2013年度の「コンプライアンス違反倒産」は209件判明。2012年度(200件)を上回り(4.5%増)、年度ベースとしては、2005年度に集計を開始して以降で最多を記録。  2.違反類型別にみると、「粉飾」が52件判明し、構成比24.9%で最も多かった。52件の内訳は、「建設業」が15件、「卸売業」が14件となっている。  3.業種別にみると、「建設業」が56件判明し、構成比26.8%で最も多かった。一方、倒産件数が建設業に次ぐことが多い「小売業」における「コンプライアンス違反倒産」は、7件のみの判明となった。(情報提供:帝国データバンク)
過去の粉飾決算が明るみに出る事例が後を絶たない。直近でも、学習塾「TOMAS(トーマス)」を経営する株式会社リソー教育(東証1部上場)が不適切な売上計上を行っていたことが発覚し、代表取締役他が辞任する事態が発生した。こうした不正は、課徴金納付や第三者委員会の調査費用など多額の金銭的影響がある以上に、投資家や消費者、取引先へ与える影響が深刻である。財務基盤が脆弱な企業や、著しい顧客離れが発生した企業については、そのコンプライアンス違反を引き金として倒産することもあり得る。
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2014-04-08 09:45