【為替本日の注目点】円買い加速ドル円2週間振り安値、日経下落で底値を試すか

 NY市場  米長期金利の低下を背景に、ドル円は急落し一時は101円55銭まで円高ドル安が進行。昨日の黒田日銀総裁の記者会見をきっかけに、102円台後半から円買いが加速し、約2週間振りに101円台半ばを記録。   ユーロドルもドル安の流れから上昇。1.37台後半から1.38台前半まで買われたが、「円買いユーロ売り」もあり上昇は限定的。ユーロ円は一時140円割れ目前まで円高が進む。   株式市場は連日の大幅安から反発。ダウは10ドル高、ナスダックは33ポイント高で取引を終える。   債券相場は続伸。3年債入札が好調だったこともあり、債券市場に資金が入った。長期金利は約2週間振りに2.68%台まで低下しドル売りを誘った。   ドル安が進んだことから金、原油はともに続伸。   ドル/円 101.55~ 102.38  ユーロ/ドル 1.3773 ~ 1.3812  ユーロ/円 140.08 ~ 141.14  NYダウ +10.27 → 16,256.14ドル  GOLD +10.80 → 1,309.10ドル  WTI +2.12 → 102.56ドル  米10年国債 -0.018 → 2.683%  本日の注目イベント  独   独2月貿易収支   独   独2月経常収支   米   FOMC議事録(3月18、19日分)   米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演   米   タルーロ・FRB理事講演   NY株式市場が連日下げ、2日間で325ドルを超える下落を見せたことから、一旦は自律反発してもおかしくはないと予想しており、それに伴ってドル円も反発する可能性もあると予想していましたが、昨日のNY市場では長期金利に反応し、円全面高の展開でした。  株価は3指数とも反発しましたが、安全資産の債券がウクライナ情勢などの影響から買われ、長期金利の低下にドル円が反応し、101円55銭まで「円高ドル安」が進んでいます。先週末の雇用統計前には104円台前半までドル高が進行しましたが、僅か3日で2円50銭もの下落です。いつものことですが「下落相場の足は速い」ことに驚かされます。  今回初めてライブで中継された黒田総裁の記者会見はいつも以上に注目されていたようです。「追加的な緩和は現時点では考えていない」との言葉に、市場はドル売りで反応し、102円台後半から下落基調を早めました。昨日もこの欄で、「102円台半ばを割り込むと円買いドル売りが加速する可能性がある」と述べたように、ここからのドル下落スピードは速かったです。NY市場で102円を割り込むと、「ストップロス」のドル売りを巻き込んで101円台半ばまで下落しました。  日銀による追加緩和期待が後退し、「追加緩和そのものがないのではないか」といった見方も広がり、さらに、ウクライナ東部での緊張の高まりが「安全通貨の円買い」と「安全資産の米国債買い」を拡大させたことが主因で、長期金利の低下と円高に結びついたと判断できます。  ドル円を見る上で重要なのは「日米金融当局の政策スタンス」であることは、これまでも何度も述べてきました。従って、今後ドル高円安への可能性は十分あると考えており、現時点でもその考えに変わりはありません。しかし、テクニカルをじっくり見るとこれまでにない変化が起きてきることを知らされます。  「日足」チャートでは昨年11月初旬以来、ローソク足は一度も割り込んだ来なかった「120日線」を、昨日は割り込んでいます。実に5ヶ月振りのことになります。同時に昨年10月8日の96円68銭を起点に、10月25日の96円95銭を結ぶ「サポートライン」では、昨日の下落を支えており、ここは抜けていません。一方「一目均衡表」の「基準線」は横ばいで、今回の下落が短命に終わることを示唆しています。  これら強弱のテクニカルから、ここは非常に判断に迷うところです。安易に買い下がるのではなく、様子を見るほうが無難でしょう。特に、103円、102円台で買い下がってきた方は注意が必要です。ここから一段とドルが下落するとすれば、メドは101円の大台と、2月4日に記録した100円77銭ということになります。本日は円高が進んだことで、日経平均株価も大幅な下落が見込まれます。ドル円がNYの底値である101円55銭を割り込まないかどうかが注目されます。予想レンジはややワイドに、101円20銭~102円50銭程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
米長期金利の低下を背景に、ドル円は急落し一時は101円55銭まで円高ドル安が進行。昨日の黒田日銀総裁の記者会見をきっかけに、102円台後半から円買いが加速し、約2週間振りに101円台半ばを記録。 
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2014-04-09 09:30