アニコムHDはペット保険の保有件数が50万件を超え業績期待を高め安値水準から反発

  アニコム ホールディングス <8715> (東マ)は、12円安と3日続落して始まったあと、5円高の758円と切り返し、3月24日につけた年初来安値739円に並ぶ安値水準からの底上げを窺っている。前2014年3月期の下方修正された減益転換予想業績を織り込む下値固めが続いていたが、今年4月7日に同社のペット保険「どうぶつ健保」の保有件数が、50万件を超えたことを発表、前期業績よりも5月8日に発表予定の今2015年3月期業績への期待を高め、下げ過ぎ訂正買いが下値に交錯している。 ■飼育頭数が子どもの人口を上回り「ペットの家族化」が進む   同社の前2014年3月期業績は、昨年11月にペット保険の新規契約獲得数が想定を上回ったことから経常収益を期初予想より上方修正する一方、利益については、一部の損害率改善施策で効果の発現が想定より遅れ、保険利用頻度も若干増加していることなどを要因に下方修正、純利益は、期初予想の6億3700万円から4億4300万円(前々期比30%減)に引き下げ、減益転換率を拡大した。   このペット保険の新規契約数の増加により、同社の今年3月末の保有件数は、50万4969件(前年3月末実績44万6414件)と50万件を超え、同保険対応の動物病院も5599病院に達した。犬猫の国内飼育頭数は、2128万頭と15歳未満の子どもの人口1649万人を上回って「ペットの家族化」が進んでおり、どうぶつの医療の質の向上を求めるニーズが高まっていることが背景となっている。   しかもこの保険契約は、昨年7月に補償割合を診療費の90%とする不採算の保険契約の販売を停止し、70%、50%の契約が中心となったことから、収益性の向上にもつながっている。同社は、実質的は収益性の指標として経常利益に異常危険準備金などを加えた修正利益を使用しているが、同利益は、前期第1四半期の200万円の赤字が、第2四半期に5800万円の黒字、第3四半期に2億4500万円の黒字、第4四半期も3億9700万円の黒字になったと推定され、通期でも前々期の4億2000万円から6億9900万円とV字回復が想定された。   このため続く今2015年3月期業績への期待を高め、3月期決算の発表が注目されている。とくに純利益は、前々期に異常危険準備金を全額戻入益に計上し2億7700万円の利益増で37%増益と大きく伸び、これが、前期に一巡したことも重なって逆に前々期比30%減と大きく減益転換しただけに、この分の持ち直しが業績期待材料となってくる。 ■5月8日予定の決算発表を先取り安値水準から底上げ   株価は、昨年11月の業績下方修正や前期第3四半期の減益転換業績で相次ぎ下値を模索し、ほぼ1000円台で持ちこたえたが、ここにきて全般調整相場、とくに新興市場の厳しい下落の波及で年初来安値まで突っ込んだ。5月8日に予定している3月期決算の発表を先取りして下げ過ぎ訂正買いの再燃が見込まれる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
アニコム ホールディングス<8715>(東マ)は、12円安と3日続落して始まったあと、5円高の758円と切り返し、3月24日につけた年初来安値739円に並ぶ安値水準からの底上げを窺っている。
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2014-04-09 10:00