【為替本日の注目点】英議会での可決を受けポンド急騰

ドル円は買い優勢の中、111円48銭まで上昇したが、今回も111円台半ばが抜け切れずに反落。111円01銭まで売られ、111円20-25銭で取引を終える。英議会が「合意なき離脱」を回避する案を可決したことでポンドドルは急伸。前日の高値を大きく抜き、1.3382前後まで買い戻しが進み、2018年6月以来となる高値を記録。株式市場はボーイング株が引き続き売られたものの反発。ダウは148ドル上げ、S&P500は4カ月ぶりの高値に。金は続伸し、1300ドル台を回復。原油価格も在庫の減少を材料に1.39ドル上昇し、一気に58ドル台半ばまで買われる。
米2月生産者物価指数 → 0.1%
米1月耐久財受注 → 0.4%
ドル/円 111.01~111.47
ユーロ/ドル 1.1291~1.1339
ユーロ/円 125.64~126.03
NYダウ +148.23→25,702.89ドル
GOLD +11.20 →1309.30ドル
WTI +1.39 →58.47ドル
米10年国債 +0.020 →2.621%
本日の注目イベント
豪 3月ウエストパック消費者信頼感指数
中 2月小売売上高
中 2月鉱工業生産
独 2月消費者物価指数(改定値)
米 新規失業保険申請件数
米 2月輸入物価指数
米 1月新築住宅販売件数
昨日も市場の「主役」は英議会であり、ポンドでした。英議会は13日、EUからの「合意なき離脱」を回避する案を賛成多数で可決しました。下院は合意なき離脱を拒否する案を賛成321、反対278で可決し、今後は、離脱期限の延期と、離脱条件の根本的な見直しに道を開いた格好になります。議会は本日、3月29日の離脱期限の延長をEUに申請するかどうかを採決することになっています。
メイ首相は下院で、議会はこの決定がもたらす結果に立ち向かわなければならないと発言し、近く合意がまとまれば、EUに短期間の離脱延期を求めるつもりだと述べました。また首相は、合意できなければ延期ははるかに長期にわたるだろうと指摘しています(ブルームバーグ)議会での可決を受け、市場は「ポジィティブ・サプライズ」と受けとめ、ポンドの買い戻しが急速に膨らんだ模様です。ポンドドルは1.32台から1.33台後半まで急騰し、対円でも149円目前までポンド高が進み、連日荒っぽい動きが続いています。
ドル円は欧州市場の流れを受け朝方は底堅く推移していましたが、トランプ大統領が事故のあった同機種のボーイング機の運行停止することを発表すると、株価が軟調となり、リスク回避の円買いが強まって、111円前後までドル売りが進んでいます。ドル円は111円台で一進一退を続けていますが、昨日も述べたように、米長期金利の低下傾向を勘案すると、どちらかと言えば下落の可能性が高いと見ています。ただ、金利の低下は米国だけではなく、ドイツや、フランス、英国やカナダなど主要国でも見られ、これは世界的な景気減速が背景かと思われます。米長期金利は下げたとはいえ、まだ2.6%台で、相対的に言えば高金利通貨の地位を占めています。ドル円のボラティリティーが低く、そう大きな値動きが予想できないとすれば、ドルを保有することにメリットがあり、「円キャリー」がドル円の下落を支えているとも考えられます。
本日もドル円にインパクトを与える材料は見当たりません。東京時間では静かな動きが予想され、レンジは110円80銭~111円60銭程度を予想します。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は買い優勢の中、111円48銭まで上昇したが、今回も111円台半ばが抜け切れずに反落。111円01銭まで売られ、111円20-25銭で(イメージ写真提供:123RF)
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2019-03-14 09:30