DeNAは連日の安値もGPIF関連の高ROE株思惑で一発逆転の狙い目素地
ディー・エヌー・エー(DeNA) <2432> は、113円安の1600円と続急落し連日の年初来安値更新となっているが、ここから一発逆転高する素地を秘めており、突っ込み買いも一考余地がある。大波乱相場下で、年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)の効率的な運用方針への改革が、相場反転のテコになる可能性があり、この関連の高ROE(自己資本利益率)株が再クローズアップされ、同社が、このROEランキングのトップに位置するからだ。5月9日予定の3月期決算の発表を先取りする業績期待や、拮抗している信用好取組も、トレンド転換材料としてフォローしそうだ。
■「JPX日経400」構成銘柄の前期ROE順位でトップに位置
全般相場の波乱展開が止まらない。4月1日からの消費税増税に伴う景気の先行き不透明化、日銀の追加金融緩和策見送りを背景とした円高の再燃、日米で同時スタートした企業決算の伸び悩み懸念、ウクライナ情勢の再緊迫化などが重なったことが要因で、前日10日の米国市場でのNYダウの266ドル安の急反落、ネット株安なども追い討ち材料となっている。この悪環境をハネ返すには、2つのサポート材料しかない。一つは、今回の4月7~8日に日銀の金融政策決定会合では見送られた追加金融緩和策の早期発動である。もう一つは、年金資産が世界最大の120兆円にも達する年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)の運用方針の改革で、従来の国債中心の保守的な運用が、株式や不動産投信のリスク資産にまでアクティブに運用の幅を広げることになっており、これが株式市場へ新規資金を流入させる呼び水になると観測されているからである。
GPIFは、4月4日にこの運用方針の改革に向け国内株式運用受託機関の選定を終え、その運用成績を測るベンチマークの一部に今年1月から算出が開始された新株価指数「JPX日経400」の導入を決めた。同指数は、構成銘柄の選定基準に3年平均のROE(自己資本利益率)を採用しており、選定された構成銘柄400銘柄のうち、2013年3月期実績のREOランキングでは、ディー・エヌー・イーが42.16%とトップに位置した。今秋には「JPX日経400」の先物取引が開始するスケジュールにあり、関連株価材料として一段とクローズアップされる見込みである。
同社の業績そのものは、ゲームの人気がソーシャルゲームからスマホアプリに急速に置き換わる変化に乗り遅れ伸び悩み、目下集計中の前2014年3月期業績は、今年2月の下方修正通りに純利益が315億円(前々期比30%減)と落ち込んだもようだが、それでもROEは高水準をキープする。続く2015年3月期業績は、同社の業績開示方法が直近の四半期予想のみ公表するため見通し難いが、第1半期業績は、前年同期の減益業績から、新作タイトル「三国志ロワイヤル」、「パズ億」、「進撃の巨人」などの投入をアプリ市場攻略の足掛かりなどとして増益転換する見込みである。東洋経済会社四季報春号では、前期央からの国内Mobageへの新規タイトルの大量リリースなどから通期純利益を360億円と観測しており、5月9日の決算発表が待たれることになる。
■減益転換業績ベースでもPERは6倍台で信用取組も1倍台と拮抗
株価は、2012年5月のコンプリートガチャ中止で突っ込んだ1392円安値から昨年1月には3430円まで3倍化したが、前期に入って伸び悩みの四半期決算を発表のたびに1700円台の下値を探り、今年2月に発表した前期業績の下方修正・減配では年初来安値まで売り込まれた。減益転換業績ベースでもPERは6倍台と下げ過ぎを示唆し、信用取組も1倍台と拮抗しており、GPIFの大援軍到来とともに底上げ展開にトレンド転換することを期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ディー・エヌー・エー(DeNA)<2432>(東1)は、113円安の1600円と続急落し連日の年初来安値更新となっているが、ここから一発逆転高する素地を秘めており、突っ込み買いも一考余地がある。
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2014-04-11 10:30