三洋貿易は続落も1Q高利益進捗率業績を見直し2Q好決算期待で割安修正余地

  三洋貿易 <3176> は、5円安の898円と続落して始まっているが、2月4日につけた年初来安値853円を前に下げ渋りの動きも強めている。同社は、5月9日に今9月期第2四半期(2Q)決算の発表を予定しているが、今年2月に開示した今期第1四半期(1Q)業績の増益転換・高利益進捗率を見直し、2Q累計業績の上ぶれ着地期待を高めて割安修正期待の買い物が下値に交錯している。子会社のコスモス商事が手掛けている地熱用の掘削用機材が、安倍内閣の閣議決定したエネルギー基本計画の再生エネルギー推進需要を享受するとの思惑も、株価押し上げ材料視されている。 ■自動車向けが想定を上回り2Q業績の増益転換率が拡大観測   1Q業績は、前年同期比16%増収、33%経常増益、38%純益増益と増益転換し、期初予想の2Q累計業績対比の利益進捗率は、各65%と目安の50%を上回った。ゴム・化学品セグメントでは、自動車向けの合成ゴムや副資材が堅調に推移し、家電・情報機器関連向けの各種資材も徐々に回復、機械資材セグメントでも自動車シート用各種部品やシート部品用の原材料の販売や、官公庁など公的研究機関向けに各種分析機器の販売がそれぞれ好調に推移したことが要因となった。   2Q累計業績は、期初予想を据え置き売り上げ275億円(前年同期比9%増)、経常利益13億8000万円(同0.2%増)、純利益7億600万円(同0.9%増)と小幅増益転換を見込んでいるが、1Q高利益進捗率業績から上ぶれ着地する可能性が大きく、東洋経済会社四季報春号では、ゴム、機械資材の国内自動車向けが想定以上として経常利益15億5000万円、純利益8億5000万円と観測しており、5月9日の決算発表が注目される。   また今9月期通期業績は、売り上げ555億円(前期比8%増)、経常利益28億5000万円(同2%増)、純利益15億6000万円(同5%増)と続伸、純利益は、連続の過去最高更新を見込んでいるが、これも東洋経済会社四季報春号では純利益を17億円と観測しており、2Q累計決算発表時に上方修正があるかないか確認する必要が出てくる。 ■PER8倍台、PBR0.8倍の出遅れ修正で最高値も視野   株価は、昨年10月の東証1部指定替え承認でつけた904円から指定替え後にいったん776円と調整、この安値から今期業績の連続過去最高更新予想にサポートされ上場来高値1000円まで約3割高した。その後の調整安値から、今期1Q好決算や自己株式立会外買付取引(買付価格960円)の好材料が続いて965円の戻り高値をつけたが、全般相場が波乱商状を強める悪地合いのなか再度、900円台を試す展開となっている。PERは8倍台、PBRは0.8倍、配当利回りは3.3%と出遅れ顕著となっているだけに、上場来高値を視野に入れて再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
三洋貿易<3176>(東1)は、5円安の898円と続落して始まっているが、2月4日につけた年初来安値853円を前に下げ渋りの動きも強めている。
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2014-04-14 10:30