アンジェスMGは反発のタイミング、成長の第2ステージ入りを評価
バイオ医薬ベンチャーのアンジェスMG <4563> (東マ)の株価は、軟調展開が続いたが調整のほぼ最終局面だろう。次世代バイオ医薬品の製品化に向けた成長の第2ステージ入りも評価して反発のタイミングのようだ。なお5月9日に第1四半期(1月~3月)の業績発表を予定している。
99年設立(04年現社名に商号変更)の大阪大学発バイオ製薬ベンチャーである。遺伝子医薬(遺伝子治療薬や核酸医薬など)および治療ワクチンといった次世代バイオ医薬品に関する研究開発を中核とした事業を展開している。08年4月からは難病のムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム」の国内での販売を開始した。
虚血性疾患治療剤「コラテジェン」(HGF遺伝子治療薬)については臨床の最終段階に入った。第一三共<4568>に対して末梢性血管疾患および虚血性心疾患分野の国内独占的販売権を付与する契約を締結している。契約に基づいて開発の進捗に伴う事業収益を計上し、国内において上市された際には売上高の一定率をロイヤリティとして受け取る。同様に田辺三菱製薬<4508>に対しては、末梢性血管疾患を対象とした米国における独占的販売権を付与する契約を締結している。
さまざまな炎症を抑える核酸医薬「NF-kBデコイオリゴ」については、塩野義製薬<4507>との間でアトピー性皮膚炎などを治療する外用剤全般の共同開発、および全世界における独占的販売権を付与する契約を締結している。さらに椎間板性腰痛症、血管の炎症に基づく血管再狭窄を適応症とする開発も進んでいる。プロジェクトが順次製品化に近づき、研究開発の第1ステージから商業化に向けた第2ステージに入ったとしている。また中期的には「遺伝子医薬のグローバルイノベーター」を目指している。
今期(14年12月期)の連結業績見通しは、事業収益が7億50百万円~8億50百万円で、利益は営業利益、経常利益、純利益とも24億円の赤字~26億円の赤字としている。事業収益はムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム」の販売数量増加および提携企業からの契約一時金の計上で増収見込みだ。利益については虚血性疾患治療剤「コラテジェン」の国際共同第Ⅲ相臨床試験が本格的に始まることに伴って研究開発費が大幅に増加する。
3月20日には、米国で実施予定の虚血性疾患治療剤「コラテジェン」の臨床試験に関して、大規模なグローバル第Ⅲ相臨床試験に先立って、小規模臨床試験が近く開始されることになったと発表している。グローバル第Ⅲ相臨床試験については、今期第2四半期(4月~6月)から実施施設をオープンし、第3四半期(7月~9月)に最初の患者さんに投与を開始する予定だ。
なお3月26日に発表した第三者割当増資による新株式発行について、4月14日に払込手続が完了したと発表した。割当先はフォレストフィールド1号投資事業有限責任組合、発行新株式数は113万6300株、発行価額は1株につき440円である。調達資金(差引手取概算額)4億90百万円はライセンスフィーおよび開発費用に充当する。
株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して水準切り下げの軟調展開が続いている。足元では450円~550円近辺でのモミ合いから下放れの形となり、4月14日には13年2月以来の安値水準となる406円まで調整する場面があった。終値は408円だった。
ただし、2月7日の今期赤字幅拡大見通しや3月26日の第三者割当増資などの発表直後には反発の動きを見せているだけに、アク抜けに対する期待感も高まっているようだ。調整のほぼ最終局面だろう。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が13%程度まで拡大して売られ過ぎ感も強めている。反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
バイオ医薬ベンチャーのアンジェスMG<4563>(東マ)の株価は、軟調展開が続いたが調整のほぼ最終局面だろう。次世代バイオ医薬品の製品化に向けた成長の第2ステージ入りも評価して反発のタイミングのようだ。
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2014-04-15 07:30