リンテックは調整一巡して反発のタイミング、好業績を評価

  粘着製品大手のリンテック <7966> の株価は、全般地合い悪化の影響で3月の戻り高値圏から反落して水準を切り下げたが、下げ渋り感も見せている。好業績見通しであり、調整が一巡して反発のタイミングだろう。なお5月8日に決算発表を予定している。   高度な粘着応用技術と表面改質技術(粘着剤や表面コート剤の開発・配合・塗工技術)に強みを持ち、印刷材・産業工材関連(シール・ラベル用粘着フィルム、ウインドーフィルム、太陽電池用バックシート、自動車用・工業用特殊粘着製品など)、電子・光学関連(半導体製造用粘着テープ、タッチパネル用シート材、液晶用偏光・位相差フィルム粘着加工など)、洋紙・加工材関連(カラー封筒用紙、粘着製品用剥離紙・剥離フィルム、炭素繊維複合材料用工程紙など)の分野に幅広く事業展開している。   14年3月には、米テキサス大学ダラス校と共同開発してきたカーボンナノチューブ(CNT)を薄いシート状に加工する新技術の16年度中の実用化に向けて、米国テキサス州に研究開発拠点NSTCを設立して量産技術確立に着手すると発表した。CNTの素材としての特性を損なうことなく、従来手法に比べて100分の1から1万分の1という極めて薄いCNTシートを生成することが可能となる。電気自動車用蓄電装置の電極材料への活用などを想定している。   前期(14年3月期)の連結業績見通し(5月9日公表)は売上高が前々期比10.0%増の2100億円、営業利益が同42.0%増の150億円、経常利益が同36.6%増の150億円、純利益が同36.7%増の105億円としている。半導体関連粘着製品、積層セラミックコンデンサー製造用コートフィルム、液晶関連粘着製品などが好調で大幅増収増益見込みだ。想定為替レートは1米ドル=92円と保守的であり上振れ余地を残している。さらに今期(15年3月期)も、スマートフォン・タブレット関連製品の好調が牽引して好業績が期待されるだろう。   14年3月に発表した新中期経営計画「LIP-2016」では、定量目標として17年3月期売上高2400億円、営業利益200億円、売上高営業利益率8%以上、ROE(自己資本利益率)8%以上を掲げた。重点テーマはグローバル展開のさらなる推進、次世代を担う革新的新製品の創出、強靭な企業体質への変革、戦略的M&Aの推進、人材の育成としている。   株価の動きを見ると、3月の戻り高値2070円から反落して水準を切り下げた。4月11日には1840円、4月14日には1845円まで調整する場面があった。ただし個別の悪材料は見当たらず、全般地合い悪化の影響を受けたようだ。また4月11日と4月14日には、安値圏で陽線を引く形となって下げ渋り感も強めている。   4月14日の終値1856円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS140円57銭で算出)は13~14倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間42円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS1909円57銭で算出)は1.0倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線も割り込んだが、好業績を評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
粘着製品大手のリンテック<7966>(東1)の株価は、全般地合い悪化の影響で3月の戻り高値圏から反落して水準を切り下げたが、下げ渋り感も見せている。
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2014-04-15 09:15