生化学工業は水準切り下げたが反発のタイミング、好業績期待
関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業 <4548> の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で水準を切り下げたが、好業績が期待されるだけに、13年12月安値に接近して反発のタイミングだろう。なお5月13日に決算発表を予定している。
国内医薬品(関節機能改善剤アルツ、白内障手術補助剤オペガン、内視鏡用粘膜下注入材ムコアップ)、海外医薬品(米国向け関節機能改善剤スパルツ、米国向け単回投与関節機能改善剤ジェル・ワン、中国向けアルツ)、医薬品原体(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸)、およびLAL事業(エンドトキシン測定用試薬関連)を展開している。高齢者人口増加を背景にアルツおよびジェル・ワンの需要は拡大基調である。
09年3月策定の「生化学工業10年ビジョン」に基づいて、研究開発は糖質科学分野に焦点を絞り、医療ニーズが高い新製品の上市を目指している。開発中の新薬としては、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603(一般名コンドリアーゼ)、アルツの適応症追加SI-657、変形性膝関節症改善剤SI-613、ドライアイ治療剤SI-614、関節リウマチ治療剤SI-615などがある。14年1月にはSI-6603の製造販売承認申請を発表し、今後は米国で実施中の第Ⅲ相臨床試験の進捗にも注力する。
なお12年8月に当社が勝訴したジェル・ワン特許侵害訴訟に関しては、米ジェンザイム社が13年10月に提起した連邦巡回区控訴裁判所への控訴を取り下げたため、当社および米ジンマー社(米国におけるジェル・ワンの独占販売代理店)の勝訴が確定している。
前期(14年3月期)連結業績見通し(11月6日に増額修正)は売上高が前々期比13.4%増の302億円、営業利益が同53.5%増の48億円、経常利益が同27.8%増の55億円、純利益が同36.6%増の44億50百万円としている。第3四半期以降(10月~3月)の想定為替レートは1米ドル=97円である。第3四半期累計(4月~12月)時点で利益は通期見通しを超過達成していたため、通期利益再増額の可能性が高まっている。
国内アルツや中国向けアルツの伸び率がやや鈍化し、ジェル・ワン新製剤設備の償却開始が前倒しとなったが、米国向けジェル・ワンの数量が大幅に増加し、円安メリット、減価償却方法変更(定率法から定額法に変更)の効果、ジェル・ワン訴訟費用の減少、保有外貨建て資産評価に係る為替差益なども寄与して大幅増収増益見込みだ。今期(15年3月期)も米国向けジェル・ワンの好調などで好業績が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、1月高値1641円から反落し、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で水準切り下げの展開が続いている。3月17日の1298円から3月26日の1423円まで一旦は反発したが、足元では再び全般地合い悪化の影響で水準を切り下げた。4月14日には1242円まで調整する場面があった。ただし1200円台前半の水準では下げ渋りの動きも見られる。
4月14日の終値1244円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS78円34銭で算出)は15~16倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間26円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS1079円38銭で算出)は1.2倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形となり、52週移動平均線も割り込んで軟調展開だが、13年12月安値1197円に接近して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
関節機能改善剤アルツが主力の生化学工業<4548>(東1)の株価は、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で水準を切り下げたが、好業績が期待されるだけに、13年12月安値に接近して反発のタイミングだろう。
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2014-04-15 09:15