資生堂は反発のタイミング、収益改善基調を評価

  資生堂 <4911> の株価は3月高値から一旦反落したが、足元では自律調整一巡感を強めている。収益改善基調を評価して反発のタイミングだろう。4月25日予定の決算発表が接近して期待感が高まる可能性もありそうだ。   中期的に国内、中国、米ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針を打ち出して事業構造改革も実施した。国内では中高価格帯商品への対応に取り組み、海外ではグローバルブランド育成を強化する。13年5月にはレプリセル社(カナダ)の毛髪再生医療技術導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。   14年2月には「カリタ」ブランドと「デクレオール」ブランドを仏ロレアル社に譲渡する契約を締結した。譲渡に伴う売却益は関係国の競争法上の手続き完了後に確定するため15年3月期に計上予定としている。   4月10日には、インドネシアのコングロマリットであるシナルマスグループ傘下のシナルマス・トゥンガルとの合弁契約締結を発表した。合弁会社に対する出資比率は65%で14年7月営業開始予定としている。   前期(14年3月期)連結業績見通し(1月31日に増額修正)は、売上高が前々期比10.7%増の7500億円、営業利益が同61.3%増の420億円、経常利益が同54.9%増の440億円、純利益が190億円(前々期は146億85百万円の赤字)としている。第4四半期(1月~3月)にマーケティングコストを積極投入するが、円安による差益増や事業構造改革の効果で吸収し、営業外収益では円安に伴う外貨建て資産の評価益も寄与する。なお想定為替レートは1米ドル=97円70銭、1ユーロ=129円70銭、1人民元=15円90銭と保守的であり、通期利益の上振れ余地があるだろう。   国内化粧品販売会社の月次売上動向(前年比)を見ると13年10月プラス5%、11月プラス9%、12月プラス2%、14年1月プラス7%、2月プラス7%と下期に入って好調を維持している。14年2月はカウンセリング化粧品で「エリクシール」が伸長した。消費増税前の駆け込み需要も寄与したようだ。   株価の動きを見ると、3月25日に高値1911円を付けたが、利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落し、4月11日には1711円まで調整する場面があった。しかし1700円台では下げ渋りの動きとなり、短期的な自律調整の一巡感を強めている。収益改善基調を評価する動きだろう。   4月14日の終値1740円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS47円69銭で算出)は36倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS722円42銭で算出)は2.4倍近辺である。日足チャートで見ると75日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線に接近して下げ渋る動きだ。反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
資生堂<4911>(東1)の株価は3月高値から一旦反落したが、足元では自律調整一巡感を強めている。収益改善基調を評価して反発のタイミングだろう。
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2014-04-15 09:30