【為替本日の注目点】米株高でドル円反発も、自立反発に過ぎず下値不安は拭えず

 NY市場  ドル円は堅調に推移。ウクライナ情勢の緊張はあるものの、株高と長期金利の低下にドル円は102円近辺まで反発。その後はもみ合いとなり、101円85銭前後で引ける。   ユーロは下落。ドラギECB総裁が、ユーロが一段高となれば、追加緩和が必要となると発言したことで、1.38台半ばから1.3808まで下落。   株式市場は3日振りに反発。シティーグループの決算と、小売売上高が好調だったことを好感しダウは146ドル高。他の株価指数も軒並み反発。   一方債券は3日振りに反落。ウクライナ情勢から上昇する場面もあったが結局売りに押され、長期金利は小幅に上昇。   ウクライナ情勢の緊迫から金は3週間ぶりに1327ドル台に。原油も1ヶ月振りに104ドル台まで上昇。   3月小売売上高 → +1.1%   ドル/円 101.66~ 102.02  ユーロ/ドル 1.3808 ~ 1.3832  ユーロ/円 140.45 ~ 140.91  NYダウ +146.49 → 16,173.24ドル  GOLD +8.50 → 1,327.50ドル  WTI +0.31 → 104.05ドル  米10年国債 +0.035 → 2.650%  本日の注目イベント  豪   RBA議事録   独   独4月ZEW景況感指数   欧   ユーロ圏2月貿易収支   英   英3月生産者物価指数   英   英3月消費者者物価指数   米   4月NY連銀製造業景況指数   米   3月消費者物価指数   米   4月NAHB住宅市場指数   米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演   米   イエレン・FRB議長講演   米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演   米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演   米   決算発表 →ジョンソン&ジョンソン、インテル   ウクライナ東部では、政府施設を占拠している親ロシア派勢力が期限を過ぎても撤去に応ぜず、緊張が高まっています。これに対してウクライナ政府は強制排除にでる可能性があり、ウクライナ情勢はかなり緊迫した情勢になって来ました。このような情勢下でも、NY株式市場が3日振りに大幅反発を見せたことで、ドル円は一時102円02銭まで買われ下値不安はやや和らいだ格好になっています。  ただ、それでも株高やドルの反発は売られ過ぎからの自立反発に過ぎず、まだ下値不安を拭い去ることはできません。NYダウは先週1週間で約400ドルも下落しており、ある意味当然の反発と見ることができます。昨日は小売売上高の数字に素直に反応しました。市場予想の+0.9%に対して、結果は+1.1%と、13項目のうち10項目で増加していました。2月の同指数が+0.7%だったことを考えると、やはり悪天候の影響がなかったことが消費を刺激したと思われます。  また先週末発表されたJPモルガンは減収だった金融機関の決算では、シティーグループの決算が予想外に増加したことが株価全体のセンチメントを良くした面もあります。シティー株は好決算からこの日は4.4%株価が上昇して取引を終えています。  ドル円はひとまず101円割れのリスクが後退しています。101円20銭前後が底堅く、今日の報道にもありましたが、日経平均株価が大きく売られる中で、「大健闘」と言えなくもありません。「ドル円と株価の相関」が崩れつつあるとの指摘がありましたが、ドル円は株よりもむしろ米金利により連動する動きを見せており、その米長期金利が依然として2.6%台~2.8%台のレンジ内で推移していることにも関係していると考えられます。  NY市場で102円を試したドル円ですが、「日足」では102円35銭あたりに「120日線」と「52日線」さらには「雲」の下限が集まっています。ここはやはり、相当な抵抗を見せるだろうと思いますが、反対にこの水準を上抜け出きれば市場の雰囲気も変わってくると考えられます。「ウクライナ情勢」と「株価の大幅な調整」を材料にドルの下値を試しに行ったが、結局101円台を抜くことができなかったとなれば、今度は上値を試しに行くことも想定できます。  それでもドルの上値を試しに行くには、引き続き企業の好決算と、米景気の拡大を示す材料が必要です。国内ではアベノミクスに対する期待感と、追加緩和期待がそれぞれ後退しています。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が報じた、「今月30日の決定会合前までに安倍首相と黒田総裁が会談の予定」という記事が実現するようなら、こちらも円売りが加速する可能性があるため、今後の情報を見極めたいと思います。本日のレンジは101円30銭~102円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は堅調に推移。ウクライナ情勢の緊張はあるものの、株高と長期金利の低下にドル円は102円近辺まで反発。その後はもみ合いとなり、101円85銭前後で引ける。 
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2014-04-15 09:45